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「何もしない」という非日常

先日、ネットで面白い記事を読みました。

【貧乏人ですら、なにもしないことは贅沢になってしまった】 貧BPの人生オワタ\(^o^)/旅

貧BPさんは、物価の安い国に長期滞在する、いわゆる「外こもり」と呼ばれるタイプの旅を実践し、旅に関する情報や、自らの人生観などについて、ブログで発信されています。

上の記事では、コラムニストの小田嶋隆氏が、ネットの普及によって、日本人は「なにもしない」時間や、純粋な「退屈」を失ってしまったという内容をツイートしたのを受け、最近は、海外でも簡単かつ安価にネットに接続できるようになったため、バックパッカーもつねに情報チェックに追われるようになり、旅先であえて「何もしない」でいることに、大変な決断力と勇気が必要になったと書いています。

私も、記事を読みながら、ネットが普及する以前の、いろいろと不便で、退屈さにあふれていたころの旅のことを、懐かしく思い出しました。
旅の名言 「ヒマでヒマでしょうがなくて……」

また、貧BPさんが書いているように、長距離バスで移動する時間などは、今でも、「何もしない時間」を存分に味わえる、得がたい機会だと思います。
旅の名言 「ひとりバスに乗り……」
旅の名言 「窓の外の風景を……」

それはともかく、新鮮で刺激的な体験を求め、わざわざ異国の地まで足を運んだはずなのに、旅先でもスマホなどの情報端末を手放せないという旅人は、けっこう多いのではないかと思います。

それを、現地での情報収集とか、現地からの情報発信に役立てるならともかく、中には、いつもの仲間とメッセージをやりとりしたり、ゲームをしたり、ふだん見ているサイトをチェックするのにほとんどの時間を費やしているという人もいるかもしれません。

つねにネットに接続できる素晴らしいツールを手に入れたことで、旅人は便利で快適な旅を楽しめるようになったし、昔のように退屈を持て余すこともなくなりましたが、その反面、せっかく旅に出ていても、いつもの自分の思考と行動のパターンから逃れることが難しくなりました。

情報端末は、使用目的や利用者の生活スタイル、興味関心などに合わせて細かくカスタマイズすることができます。つまり、そこには、その人のふだんの思考・行動の特性が色濃く反映されています。

端末を使い込み、カスタマイズを重ねれば重ねるほど、利用者はますます快適にそれを使えるようになっていくわけですが、快適であればあるほど、それを手放すことが難しくなるだろうし、いつしか、端末を手にすること自体が、いつもの自分らしさを感じられる大切な行為として、日常生活に深く根づいていくのではないでしょうか。

そして、旅先でそれを使えば、いつでもどこでも、旅人はふだん通りの日常の感覚を、強く呼び覚まされることになるでしょう。

しかし一方で、異国の街にいるのに、日常の感覚から抜け出せず、いつもの自分の関心事ばかりに心が向けられたままでは、旅をしていても、新鮮な驚きや楽しさを感じることができなくなってしまうかもしれません。

それは、非日常を体験するはずの旅が、どんどん日常に近づいていくことを意味します。というより、旅が日常性に侵食されてしまっている、というべきなのかもしれません。

もちろん、だからといって、昔のような、不便さや退屈さやトラブルに満ちた旅の方が素晴らしいというわけではないし、そういう時代に戻るべきでもないでしょう。

不便で退屈な旅を続けたからといって、どこかで新鮮な驚きに満ちた体験が必ず得られるという保証などないし、トラブルに遭うことは、たしかに非日常的な体験には違いないでしょうが、そのほとんどは、旅人が望んでいるタイプの非日常ではありません。

ただ、ネットが普及する以前は、多くの場所で、旅行者のためのインフラは貧弱で、情報も不足しており、旅人がふだんの生活のような安心感や快適さを求めても得られませんでした。彼らは、「何もしない」ことや「退屈」をあえて意図し、それを楽しんでいたわけではなく、単に「何もできなかった」だけなのですが、旅人が周囲の状況をコントロールできなかったからこそ、結果的に、彼らにとって意外で、自分を大きく変えてしまうような、新鮮で面白い物事が起こり得る余地というか、隙間のようなものがあったのではないかと思います。

しかし、整備されたインフラやあふれる情報を駆使し、生活環境をコントロールできるのが当たり前になり、つねにほどほどに欲求が満たされた日常という、生暖かい心地よさに慣れすぎた人間にとっては、逆にそうした、コントロールされていない隙間や空白が、ただ不安を呼び覚ますだけの、恐ろしいものに見えてしまったりします。

そういう状況で、いつもの快適さをあえて打ち破り、自分にとって未知の世界に直面しようとするには、貧BPさんが書いているように、「大変な決断力と勇気」が必要なのでしょう。

別の言い方をすれば、自分の意思でほどほどの快適さを維持できるような環境がいったん出来てしまうと、そこから抜け出すのはとても難しくなる、ということなのだと思います。

「何もしない」、あるいは、「何もできない」という状況は、今やほとんどの人にとって非日常的なことなのですが、それは、みんなが手に入れたいと望みながら、なかなか手に入らない贅沢品というより、むしろ、多くの人は、それをわざわざ手に入れたいとは思わないのではないでしょうか。その意味では、そうした非日常は、安楽な日常という繭の外にあえて出ようとする決断力と勇気をもったごくわずかな人間だけが求める、マニア向けの品になりつつあるのでしょう。

だとすると、今の私たちにとっては、実際に異国へ旅をすることよりも、快適な日常を維持するために続けているさまざまな行為をいったん止めて、何もしない、からっぽの時間に直面することの方が、ずっと非日常的で、インパクトのある体験をもたらしてくれるのではないでしょうか。

自分を大きく揺さぶるような体験を求めているなら、今や、ただ旅に出るだけでは不十分で、あえて情報端末などを(一時的にでも)手放して、目の前のナマの現実と、ナマの自分自身に向き合う機会を、勇気をもって作り出す必要があるのかもしれません。むしろ、旅に出ることよりも、その方が重要なのではないかという気がします。

そして、それなら、あえて遠くまで旅に出なくても、ネットとの接続を一時的に断ってみたり、日常の行動パターンから意識的に外れてみるだけでも、そこには新鮮な驚きが待っているかもしれないし、旅に出ること以上の大きな意味があるのかもしれません。

まあ、自由な時間の大半をネットに費やしている私がこういうことを書いても、全く説得力がありませんが……。

 
JUGEMテーマ:旅行

at 18:40, 浪人, 地上の旅〜旅全般

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サービスのダウンで改めて自覚するネット依存

先日、RSSリーダーの feedly が、サイバー攻撃を受けて長時間ダウンしました。データ保存サービスの Evernote も、同様の攻撃に遭っていたようです。

INTERNET Watch 【feedlyとEvernote、脅迫的DDoS攻撃から復旧、金銭要求に屈せず】

どちらも毎日使っているのですが、feedly は通常の状態に戻るまでに2日近くかかり、ネット中毒者としては、さすがに待ちくたびれました。といっても、その間、ずっと放置していた別のRSSリーダーを復活させてしのいだので、その作業に若干の時間を費やしたり、使用感の違いにストレスを感じた以外に、実質的な被害はほとんどありませんでしたが……。

むしろ、この事件の一番の被害者は、サービスの運営側でしょう。カネ目当ての攻撃に遭い、これまで通りのサービスを続けるために、不眠不休で奮闘しただろう担当者の方々には、本当に頭が下がります。

それにしても、先月には、このjugemブログもサイバー攻撃を受けており、自分の身の周りで、こう立て続けに事件が起きると、いろいろと考えずにはいられません。

どのサービスも、数年前までは存在しなかったのに、それらはいつの間にか、私にとって、日常生活を送るために、なくてはならないツールになっています。

情報収集をしたり、集めた情報を保存・整理したり、文章を書いたりといった行為自体は、誰もが昔からずっとやってきたことですが、ここ20年でネット世界が爆発的に成長するのに伴って、私たちが日々触れる情報の量も激増しつつあり、かつてのようなアナログなやり方では、とても処理しきれなくなりました。

例えば、ネット上の記事を、一日に何十、何百とチェックしようとすれば、RSSリーダーのような効率化ツールがなければやっていけないし、そうやって集めた情報も、頭で記憶するには膨大すぎて、外部の記憶装置の助けを借りないと、そのまま消えていって、二度と引き出せなくなってしまうでしょう。

もちろん、目の前に大量の情報があるからといって、そこにどっぷりと浸かる義務があるわけではありません。実際、そうした情報とは無縁に、昔ながらのゆったりとした生活を送っている人もいれば、接する情報の質と量を自らコントロールし、情報処理ツールに頼らなくても、うまくやっていける人もいるのだろうと思います。

ただ、私の場合は、見たい知りたいという欲望に逆らうことができず、さまざまなツールの助けを借りながら、ほとんど自分の限界に近い量の情報を、毎日浴び続けています。

だから、今回のようなトラブルが起きて、いきなり身の周りの情報の流れが断ち切られてしまうと、何ともいえない居心地の悪さを感じるだけでなく、いつもの生活パターンを一刻も早く取り戻すため、何か自分にできることはないかと、ジタバタ悪あがきをしてしまいます。

そして、そうした自分の哀れな姿を見て、日頃、自分がネット上のサービスに、いかに依存しているかに気づかされるのです。

しかも、悲しいのは、そうした事態に対して、結局のところ、自分にできることはわずかで、トラブルに遭っていない似たようなサービスを探し求め、当分の間、「緊急避難」するくらいしかないということです。

トラブルの原因をネットで調べ、何者かが引き起こしたサイバー攻撃が原因だと分かったところで、犯人はネットの向こうの見えない存在のままで、こちらの不満や苛立ちをぶつけようにも、そのはけ口がありません。

また、サービス運営者の苦労に同情し、何か力になりたいと思っても、こちらにはそれだけの技術力もなければ、ネット上の「戦い」に加勢する手段もなく、ただ、サービスが復旧するのを黙って待つしかないのです。

ネットが普及する以前なら、情報の処理はほとんどが手作業で、地球上のどこかから突然邪魔が入ることもなければ、それによって作業が完全に中断することもありませんでした。かりに何か問題が起きても、手作業ゆえに、素人なりに工夫して対処する余地がありました。

今は、効率化のために、そうした作業の大部分を、ネット上のインフラに完全に頼ってしまっています。

つまり、今の自分の日常は、地球上のどこか別の場所で働く優秀な人々が与えてくれる、恩恵のようなサービスによって成り立っている部分が大きいのですが、それは、悪意の攻撃を含めた何らかのトラブルがあれば崩れてしまいかねない、とても脆いものであり、しかも、その仕組みのほとんどが、私にとってはブラックボックスなので、いつもの日常が失われ、不安や苛立ちを覚えても、自分にできることはほとんどないという、とても無力な状態におかれてしまうのです。

もっとも、サービスの運営側は、そうした事態が簡単に起きないよう、システムをより強固なものに改善していくだろうし、これから起きる似たようなトラブルも、次々に克服していくのだろうと思います。

そして、これまでになかったような、新奇で、便利で、快適なサービスを私たちに提案し、さらに大量の情報を摂取する生活スタイルが、未来の新しいスタンダードになっていくのでしょう。

しかしそれは、私たちの日常生活が、そうしたツールにさらに依存し、一人ひとりの人間が、さらに受け身で無力な存在になっていく道でもあるのかもしれません。

それが薄々分かっていながら、でも、面白さ、便利さ、快適さという誘惑に抗うのは、とても難しいことです。

今後は、自分が接する情報の質と量をコントロールすることが、ますます重要になっていくのでしょうが、現時点で、それが全くできていない私には、より厳しい未来が待っているのかもしれません……。


JUGEMテーマ:インターネット

at 18:49, 浪人, ネットの旅

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最近、このブログをご覧になった方へ重要なお知らせ

先日、このブログのプラットフォームを運営するJUGEMから、セキュリティに関する連絡がありました。

5月24日から数日間、何者かによって公式のファイルが改ざんされ、JUGEMのサイトを閲覧すると、悪意のあるプログラムがダウンロードされる状態になっていたそうです。

現在、問題は解決され、安全になっているとのことですが、それまでの間にこのブログをご覧になっていた場合、マルウェアに感染した可能性がありますので、下記の条件にあてはまる方は、安全のために対処をお願いいたします。

ブログを読んでくださっている皆様にご迷惑をおかけし、申し訳ありません。また、お知らせが遅くなりましたことをおわびいたします。

以下、JUGEMからのメッセージをそのまま引用します。

 

お客様の安全のため、対応と注意喚起のご協力をお願いいたします。


2014年5月24日の未明より外部サービスで配信しておりました公式のファイルが改ざんされ、
悪意のあるプログラムがダウンロードされた可能性がございます。
現在は全て問題解決しておりますが、下記条件に含まれる恐れがある方は当ページをご確認の上、
ご対応をお願いします。

お知らせについてはこちら http://info.jugem.jp/?eid=17191

なお、お客様の個人情報の流出等やブログ記事・テンプレート・画像への 影響等は
現時点で確認されておりません。

<この改ざんにより影響のあったサイト・ブログ>

・JUGEM ポータルサイト
・JUGEM「JUGEM(無料版)」
・JUGEM「JUGEM PLUS(有料プラン)」
・ロリポップ!「ロリポプログ」
・30days Album「デイズブログ」
・グーペ「グーペブログ」
・カラーミーショップ「ショップブログプラス」


<改ざんの影響を受けたと考えられる方の条件>

(1)以下の日時でJUGEMポータルおよび上記影響のあったブログにアクセスした
2014年5月24日(土)未明〜5月28日(水)12時ごろまでの間

(2)Windowsを利用している
対象のOSは以下の通りです
Windows XP
Windows Vista
Windows 7
Windows 8.1〜 

(3)Flash Playerのバージョンが13.0.0.206未満の方
旧バージョンをご利用の場合には、脆弱性により感染の可能性が高くなります。
※Flash Playerのバージョンはこちらでご確認いただけます。
http://helpx.adobe.com/jp/flash-player/kb/235703.html 

ウィルスについては株式会社シマンテック様へ調査を依頼しましたところ、
下記のような公式見解をいただいております。
 

Flashの脆弱性(CVE-2014-0515)を悪用し、いくつかのマルウェアがダウンロードされます。
マルウェアは複数あり、また毎日更新されておりますが、基本的にInfostealer.Bankeiya.Bというマルウェアに感染すると考えてよろしいかと思います。

マルウェアの詳細や推奨する感染予防策
http://www.symantec.com/ja/jp/security_response/writeup.jsp?docid=2014-052808-0317-99


<対処方法>

【ウィルス対策ソフトを最新バージョンにしてください】

ウィルスは毎日更新されるため、古いバージョンをご利用の場合には、
対象のウィルスを検知できないことがあります。
ウィルス対策ソフトが最新バージョンになっているかのご確認をお願いいたします。


【ウィルス対策ソフトでPCをフルスキャン】

ご利用のPCにインストールされているウィルス対策ソフトでPCをスキャンしてください。

ウィルス対策ソフトをインストールされていない方は無料のウィルス対策ソフトの
ご利用をお勧めいたします。

◆ノートン・インターネットセキュリティ(30日無料体験版)
http://www.symantecstore.jp/trial/


【Flash Playerを最新版にアップデート】

安全な最新バージョンへアップデートをお願いします。

◆Flash Playerダウンロードはこちら
http://get.adobe.com/jp/flashplayer/


【もしウィルスが見つかってしまったら?】

今回の改ざんで使用されたウィルスは複数存在し、一部はネットバンキングの情報を
悪意ある第三者へ送信する機能を備えております。

以下の手順を確認して、ひとつずつ順番に対応をお願いいたします。

(1)ウィルス対策ソフトで駆除を行います。
(2)駆除が完了したことを確認したら、再度フルスキャンを行います。
(3)ウィルスが検知されないことを確認し、すぐにネットバンキングのパスワードを変更します。
 

管理者さまへ 注意喚起のご協力をお願いいたします

今回の改ざんはブログの管理者さまだけでなく、ブログの閲覧者様にも影響がございます。
お知らせブログをご紹介いただき、ブログを閲覧されたお客様へも同様の対応を行っていただけるように、ぜひブログ上での注意喚起にご協力頂きますようお願いいたします。


(2014年5月29日作成)




JUGEMテーマ:日記・一般

at 17:27, 浪人, つれづれの記

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