『続・世界の日本人ジョーク集』
評価 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
この本は、しばらく前にベストセラーになった、『世界の日本人ジョーク集』の続編です。
前作同様、この本には、世界各地で語られている日本人ジョークの数々が収録されており、ここ一、二年の間に創られたような最新作も含まれています。
ただ、やはり新しいジョークについては、完成度があまり高くないような気がします。それに時事的なテーマが絡んだジョークでは、解説を読まないと面白みが分からないものもあります。
民話や都市伝説のように、ジョークも多くの人々の間で流通し、作り変えられ、時間の試練にさらされるうちに、聞き手の心に残る面白いものだけが選ばれ、後世に受け継がれていくのでしょう。
この本の全体的な印象としては、「続編」の宿命というべきか、前作よりもパワー不足の感は否めません。また、私には、早坂氏によるジョークの解説もちょっと説教臭く感じられます。
もっとも、肝心のジョークを単純に楽しまずに、ついこんな風にシビアな目で見てしまうのは、この本で指摘されているように、私も「笑いに厳しい」日本人の一人だからなのでしょうか……。
それはともかく、この本を読んでいると、昨今の世界のめまぐるしい変化とか、世界的に活躍する有名な日本人の存在が、ジョークの中にも素早く取り込まれていくのが分かります。
また、世界中の人々が実際に日本人に接する機会が増え、日本やその文化についての情報も広がりつつあるせいか、ジョークに登場する日本人も、これまでのステレオタイプなイメージばかりではなく、多様で個性的なキャラクターをいきいきと演じるようになりつつあるのも、とても面白いことだと思います。
それから個人的には、この本に収録されているジョークが、どういう状況で、どういう人物によって語られていたのかを知りたいと思いました。ジョークが採集された場所や時期、その語り手のことや話された状況なども解説の中で示してもらえたら、それぞれのジョークがどのように生み出されたのか、その背景を含めてより深く理解できるのではないかと思います。
……と、ジョークを笑って受け流すだけでは収まらず、その背景までついつい知りたくなってしまうというのは、これまた私が日本人だからでしょうか……。
本の評価基準
以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。
★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします
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