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『フリーズする脳 ― 思考が止まる、言葉に詰まる 』
評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
本書タイトルの「フリーズ」という言葉は、パソコンを使っている人ならお馴染みの、何らかの原因で突然パソコンが機能を停止してしまう(フリーズする)現象から来ています。実は同じような現象が、人間の脳の活動でも起こっています。
たとえば、人に話しかけられたときにうまく反応できない。言葉がなかなか出てこない。思考がすぐに途切れてしまう。よく知っているはずの人や物の名前が思い出せない。メールを送ろうとしてパソコンに向かったものの、何を書こうとしていたのか完全に忘れている。電話で人の話を聞いた直後に、もうその内容が頭から抜け落ちている。人の話や文章を理解して記憶することができない……。そういう当たり前にできると思っていることが、できない瞬間。あのもどかしい状態を本書では「フリーズ」と呼びます。
築山氏によれば、「フリーズ」とは「軽度な高次脳機能の低下」で、誰にでも起きていることです。しかし、もしもこうした現象が日常的に多発しているようなら、そのまま放置しておくと深刻なボケにもなりかねません。
ちなみに、ここで言う「ボケ」とは認知症のことではなく、脳が器質的に壊れてしまうわけではありません。しかし、さまざまな脳機能を司っている神経細胞のネットワークが衰え、その一部、または大部分が眠りこけたようになっている状態で、進行すると日常生活に多大な支障が出てきます。
本書では、多発する「フリーズ」に悩むシステムエンジニアや営業マン、大学の教授やフリーライターなど、年齢も職業もさまざまな人々の事例が取り上げられ、その原因として考えられることと、日常生活レベルでの解決の指針が分かりやすく書かれています。
本書全体を通して伝わってくるのは、ふだんほとんど意識されていない私たちの日常的な生活環境が、脳の活動を支えていく上で非常に重要な役割を果たしていること、そして、記憶を引き出したり、情報を組み立てたり、それらを脳の中で保持したりするなどの高次脳機能の働きを担っている脳の前頭葉を活性化させることの重要性です。
ボケの原則というのは、自分の脳を使っていない、もしくは使い方のバランスが悪いことが原因になる、また、その自分でしなくなっている「何か」を誰かが補ってしまっている場合が多いということです。その「誰か」は人ではなく、パソコン、インターネット、携帯電話、カーナビなどの道具であるのかも知れません。
現代はボケが発生しやすい時代です。もともと個別化社会の進展や職業の細分化など、脳の使い方を偏らせる要素があったところに、さらに偏らせる道具が爆発的に普及した。また、厳しい競争社会は、私たちが何かをしなくなっていることを見逃させ、周りの人がおかしくなっていても指摘しない風潮をつくり出しています。
これは別に驚くほどの新説ではなく、生活の大部分を他人任せ、機械任せにしていると脳が衰えるという、ごく常識的に理解できることを言っているのですが、生活の便利さに流されているうちに、いつの間にか脳が適切に活動できる環境を失ってしまいがちであるというのは、とても耳の痛い話です。実際に自分自身の生活を見直してみて、すぐにでも生活習慣を改めなければならないのではないかと切実に感じます。
ただ、本書を読んでいるうちにふと思ったことなのですが、例えば瞑想のような活動は、築山氏の理論においてはどのような位置づけになるのでしょうか。
瞑想をする場所は、気が散らないように単調な環境になっていることが多いし、そこでは日常生活の刺激を持ち込まないことが要求されています。瞑想中は基本的に目を動かすことはせず、思考も手放すことになっています。それはまるで前頭葉の活動を意図的に低下させているように見えます。しかしもちろん、人々はボケるために瞑想しているわけではありません。
本書は「前頭葉を中心とする思考系を働かせ、感情をコントロールしながら、人生をよりよくしてい」くという、分かりやすい前提に基づいて書かれていますが、瞑想と脳との関わりを考えていくと、思考系と感情系の相克モデルだけでは説明できない、さらに別のファクターもあるように思われます。
もっとも、この問題に深入りすることは、本書の趣旨からは完全に外れてしまいますが……。
脳と意識の問題については、今後も勉強を続けたいと思います。
本の評価基準
以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。
★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします
『脳は直感している』
評価 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
「直感」に関する本、というと、多くの人は胡散臭く感じるかもしれません。昔から「勘」とか「虫の知らせ」と呼ばれ、そういうものが存在することは漠然と認められていますが、なぜそういうことが起こるのか、理屈ではうまく説明できないし、直感がいつも当たるとは限りません。
いわゆる「論理」や「科学」を重視する現代人としては、こういう現象を「公式」に認めることはできないし、一方で、「直感」について書いているような本の多くが、新興宗教とか疑似科学の臭いをプンプンさせていることもあって、ますますこの話題を敬遠したくなるのではないでしょうか。
そういう意味では、本書の著者佐々木正悟氏は、アカデミズムの世界に属しながら、あえてこのやっかいな問題に取り組んでいるという意味で、かなりのチャレンジャーだと言えるかもしれません。
佐々木氏は「直感的判断」を、本能に知識・経験も加味した総合的な判断ととらえ、脳科学や心理学の知見を踏まえて議論を整理したうえで、直感力を日常生活に積極的に生かしていく方法を探ろうとしています。
大脳生理学的にいえば、「脳は直感している」のだ。
そうした「脳の声」をうまく聞き取ることは、危険を回避し、正解にたどり着くための、言い換えれば数多くの困難に満ちた人生を生き抜き、成功する上での大きな武器となる。
ちなみに、佐々木氏は直感的判断の特徴として、以下の3点を挙げています。
直感の法則1 直感は「そのときその場でその人に」発揮される
直感の法則2 直感は「非言語的なメッセージ」である
直感の法則3 経験を積めば積むほど、直感力は増大する
これらは、直感という現象を理解する上で、非常に重要なポイントを指摘していると思います。
直感力は、刻々と変化する現場の状況と、これまでの知識・経験をすべて踏まえた上で、当事者によって瞬間的に下される、総合的で、言語的表現を超えた判断です。そして、それは人生経験や専門的知識を積み重ねていくことによって、より信頼性の高いものになりうるのです。
しかし、現場を離れてしまったり、当事者以外の人に判断を委ねたり、言語的な思考に囚われていると、直感のメッセージを逃してしまうことになります。本書では、具体的な事例や実験の紹介を通じて、「社会的圧力」や「自己合理化」がせっかくのメッセージを歪めてしまうことも示されています。
もっとも、こうした分野の研究はまだまだ発展途上です。本書でとり上げられている実例や実験だけでは、十分な説得力に欠けると思われる方もいるかもしれません。また、佐々木氏の話の進め方においても、脳や遺伝子の問題に還元したり、進化論的な発想で割り切りすぎる傾向があるように思います。
しかし、「直感的判断と論理や科学を対立するものととらえるのではなく、それらを統合する知性、判断力を考える」べきであるという点については共感を覚えるし、そこには意識の問題や人間の可能性について、さらに面白い研究の舞台が広がっているという気がします。
また、直感力をある程度自覚的にコントロールできる能力ととらえ、直感力を鍛えてその信頼性を高めようという発想にも興味深いものがあります。
佐々木氏は本書で「直感力を鍛える7つの方法」を紹介していますが、それらはいずれも常識的に理解でき、すぐに実行できるものがほとんどです。私個人としては、方法が一般的すぎて、やや物足りなく感じたのですが、ある意味では、それだけオーソドックスで安全な方法を示しているとも言えます。
「直感的判断」について興味があり、実践的な知識を得たいと思っている人は、本書に一度目を通してみてください。
本の評価基準
以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。
★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします
『心と脳の正体に迫る』
心と脳の正体に迫る 成長・進化する意識、遍在する知性
天外 伺朗, 瀬名 秀明
評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
この本は、「心と脳」をテーマに、ソニーの技術者である天外伺朗氏と作家の瀬名秀明氏が対談したものですが、読んでみると期待通りというか、意外というか、なかなか異色な内容になっています。
心といえば心理学、脳といえば脳科学の常識的な話を想像しがちですが、この対談では学問の垣根や「科学的常識」の壁を飛び越えて、知的フロンティアの領域を自由に語る趣向になっています。
語られる領域は、脳科学や神経生理学、哲学、量子力学、トランスパーソナル心理学と広く、語られるテーマとしては、植物の「意識」、人間の意識の変容と進化、臨死体験や宇宙人によるアブダクション(誘拐)、シンクロニシティ、「気」、コンピューターと意識の問題、量子コンピューターなど、非常に多岐にわたります。
その多くが、現在の科学では解明が難しかったり、科学者が手をつけないまま残されているようなテーマで、ある意味では仮説と想像ばかりの「いかがわしい」世界でもあります。人によっては、「ハッキリ決着のついていないことをあれこれ議論した本を読んでも意味がない」と思うかもしれませんが、こういう「世界の謎」にむしろワクワクする人も多いのではないでしょうか。
対談の背景に流れているのは、天外氏の著作ではおなじみの、「この世」と「あの世」に関する仮説です。これは物理学者デイビッド・ボームが提唱する「ホログラフィー宇宙論」の「目に見える物質的な宇宙(明在系)」と、それと一対一に対応する「目に見えない宇宙(暗在系)」の概念や、般若心経の「色」と「空」にも対応するもので、この仮説をとりあえず受け入れて対談を読んでいくと、この本の中で取り上げられている一見雑多なテーマが、うまくつながってきます。
これらはあくまで仮説のレベルであり、検証も不可能であるか、現在の科学・技術では非常に難しいのですが、とりあえずその問題はカッコに入れて、試しにこれらの仮説を前提に物事を見てみると、今までどこから手をつけたらいいのか分からなかった様々な謎に関して、いろいろ腑に落ちる点がある、というのは大きな魅力です。
天外氏、瀬名氏とも文系的な側面と理系的な側面をうまくバランスさせながら、社会的に活躍されている方々なので、この本も「トンデモ本」すれすれの内容ながら、安心して読むことができます。テーマが多岐にわたるため、一つ一つのテーマがじっくりと語られていない感じもしますが、こうした分野をもっと勉強したい人のためのガイダンスや、知的フロンティアの地図として役に立つのではないかと思います。
本の評価基準
以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。
★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします
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