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中国のチベット旅行ブーム

中国では、今チベット旅行がブームのようです。

3日付の中国新聞社によると、06年7月に青海省を訪れた観光客は前年比34%増の延べ163万人、観光収入は同30%増の8億1800万元に達した。7月1日に全線開通した青蔵鉄道の効果がはっきりと現れた格好だ。
(サーチナ・中国情報局 8月3日)


TVでも何度か報じられたのでご存知の方も多いと思いますが、7月1日に青海省のゴルムドとチベット自治区のラサを結ぶ路線が開通したことで、北京からラサまで鉄道で移動できるようになりました。

北京 → ラサは特別快速で48時間ということですから、比較的短時間で「大陸縦断の汽車の旅」を楽しむことができ、旅好きにはなかなか「おいしい」路線であることは確かです。しかも最高で海抜5072メートルの高地を走るため、「世界一の高所を走る鉄道」でもあり、話題性は抜群です。

世界中の旅行者の注目を浴びているこの路線を、豊かな中国人が見逃すはずもなく、冒頭の記事のように観光客が激増し、その傾向は今後も続くと思われます。8月8日の読売新聞朝刊によれば、ラサではホテルが軒並み高騰し、ポタラ宮の入場制限がされるほどだそうです。

そして北京からの鉄道路線は、ラサを越えてさらに南へ延伸される計画があります。

 華僑向け通信社の中国新聞社がチベット自治区政府関係者の話として伝えたところよると、青蔵鉄道の支線として建設が検討されているのは、東西に伸びる2路線。ラサから東に向かってインドのアッサム州に近いニャンティ(林芝)に至る約350キロと、西に向かってシガツェ(日喀則)を経由し、さらに南に向かってシッキム州の国境に近いドモ(亜東)に至る約500キロの計画だ。
 2016年までの建設をめざし、建設費用は数百億元とされている。(中略)
 大陸国家の中国は、安全保障上の観点から外洋に通じる新たなルート開拓に乗り出しており、チベット経由でインドに通じ、インド洋に出る今回の計画もその一環と考えられる。
(フジサンケイ ビジネスアイ 7月20日)

私は何年か前にチベット自治区を旅したことがありますが、「秘境」のイメージとは裏腹に、そこで中国政府による大規模な植民と開発が進められているのを目の当たりにしました。

世界中の多くの地点が鉄道によって結ばれることは、旅行者にとっては楽しみが増えることでもあり、一概にそれを否定するつもりはありませんが、国の事業として非常なコストをかけて鉄道が敷かれるという事実を考えるとき、その第一の目的が観光客への便宜だけであるとはとても思えません。

青蔵鉄道をめぐっては、日本ではどちらかというとその経済効果の点から報じられることが多いようですが、チベット人難民や、現在チベット自治区に住むチベット人が鉄道建設をどう見ているのかはあまり伝わってきません。

個人的には、私は故郷の地を追われたチベット人に同情的です。また、チベット自治区においてチベット固有の文化が失われ、政治的・経済的な大きな流れの中に飲み込まれていく現状に、何ともいえない寂しさを感じています。

もちろん様々な事情によって、青蔵鉄道を歓迎しているチベット人もいるはずで、物事を単純に白黒で割り切ることはできませんが、私としては、これからチベットがどう変わっていくのか、それがそこに生きる人達にとって幸せな生活につながるのか、注意深く見続けていきたいと思います。

at 18:25, 浪人, 地上の旅〜チベット

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