このブログ内を検索
新しい記事
記事のカテゴリー
            
過去の記事
プロフィール
            
コメント
トラックバック
sponsored links
その他
無料ブログ作成サービス JUGEM
<< 旅の名言 「まず一歩……」 | main | 旅の名言 「おそらく時間の重さを……」 >>

『脳は直感している』

Kindle版はこちら

 

評価 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください

「直感」に関する本、というと、多くの人は胡散臭く感じるかもしれません。昔から「勘」とか「虫の知らせ」と呼ばれ、そういうものが存在することは漠然と認められていますが、なぜそういうことが起こるのか、理屈ではうまく説明できないし、直感がいつも当たるとは限りません。

いわゆる「論理」や「科学」を重視する現代人としては、こういう現象を「公式」に認めることはできないし、一方で、「直感」について書いているような本の多くが、新興宗教とか疑似科学の臭いをプンプンさせていることもあって、ますますこの話題を敬遠したくなるのではないでしょうか。

そういう意味では、本書の著者佐々木正悟氏は、アカデミズムの世界に属しながら、あえてこのやっかいな問題に取り組んでいるという意味で、かなりのチャレンジャーだと言えるかもしれません。

佐々木氏は「直感的判断」を、本能に知識・経験も加味した総合的な判断ととらえ、脳科学や心理学の知見を踏まえて議論を整理したうえで、直感力を日常生活に積極的に生かしていく方法を探ろうとしています。

 

 大脳生理学的にいえば、「脳は直感している」のだ。
 そうした「脳の声」をうまく聞き取ることは、危険を回避し、正解にたどり着くための、言い換えれば数多くの困難に満ちた人生を生き抜き、成功する上での大きな武器となる。


ちなみに、佐々木氏は直感的判断の特徴として、以下の3点を挙げています。

 

直感の法則1 直感は「そのときその場でその人に」発揮される
直感の法則2 直感は「非言語的なメッセージ」である
直感の法則3 経験を積めば積むほど、直感力は増大する


これらは、直感という現象を理解する上で、非常に重要なポイントを指摘していると思います。

直感力は、刻々と変化する現場の状況と、これまでの知識・経験をすべて踏まえた上で、当事者によって瞬間的に下される、総合的で、言語的表現を超えた判断です。そして、それは人生経験や専門的知識を積み重ねていくことによって、より信頼性の高いものになりうるのです。

しかし、現場を離れてしまったり、当事者以外の人に判断を委ねたり、言語的な思考に囚われていると、直感のメッセージを逃してしまうことになります。本書では、具体的な事例や実験の紹介を通じて、「社会的圧力」や「自己合理化」がせっかくのメッセージを歪めてしまうことも示されています。

もっとも、こうした分野の研究はまだまだ発展途上です。本書でとり上げられている実例や実験だけでは、十分な説得力に欠けると思われる方もいるかもしれません。また、佐々木氏の話の進め方においても、脳や遺伝子の問題に還元したり、進化論的な発想で割り切りすぎる傾向があるように思います。

しかし、「直感的判断と論理や科学を対立するものととらえるのではなく、それらを統合する知性、判断力を考える」べきであるという点については共感を覚えるし、そこには意識の問題や人間の可能性について、さらに面白い研究の舞台が広がっているという気がします。

また、直感力をある程度自覚的にコントロールできる能力ととらえ、直感力を鍛えてその信頼性を高めようという発想にも興味深いものがあります。

佐々木氏は本書で「直感力を鍛える7つの方法」を紹介していますが、それらはいずれも常識的に理解でき、すぐに実行できるものがほとんどです。私個人としては、方法が一般的すぎて、やや物足りなく感じたのですが、ある意味では、それだけオーソドックスで安全な方法を示しているとも言えます。

「直感的判断」について興味があり、実践的な知識を得たいと思っている人は、本書に一度目を通してみてください。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

 

 

 

at 18:52, 浪人, 本の旅〜脳と意識

comments(0), trackbacks(0)

スポンサーサイト

at 18:52, スポンサードリンク, -

-, -

comment









trackback
url:http://ronin.jugem.jp/trackback/333