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『なにも願わない手を合わせる』

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

本書は、写真家の藤原新也氏が、癌で亡くなった兄の供養のために行った四国巡りの旅をテーマにしています。

藤原氏はすでに二度、父母が他界するたびに四国巡りをしたことがあるそうですが、その旅は四国八十八カ所を律儀にたどる旅ではなく、気の向くままに旅を続けるという、藤原氏らしい自由なものでした。今回は徳島で自転車を手に入れ、「風に吹かれ」ながら四国を巡っています。

本書には、その旅先でのエピソードや、身近な人々、身近な生きものたちの死と別れの思い出を綴るエッセイと、四国の旅の写真が収められています。

そしてそこには、藤原氏の死生観や、これまでの人生において、彼が他者の死とどのように向き合ってきたかが、率直に描かれています。

読んでいると、心がしんと静まりかえっていくような不思議な感じを覚えます。

それは、死と別れという、本書のテーマによる部分も大きいのでしょうが、それ以上に、藤原氏の祈りの形、何かを求めて願うのではなく、「なにも願わない手を合わせる」という美しい祈りの形が、彼の写真や文章を通じて静かに伝わってくるからなのかもしれません。

もちろん、『印度放浪』当時からのとんがった感じ、アウトサイダー感覚、独特のユーモアはいまでも健在ですが、写真も文章もその表現の深みを増しているように感じられます。それは、言葉になる以前の、こころの無意識の層にしみじみと染み渡ってくるような力が、以前よりさらに増しているからでしょうか。

ひとり静かな場所で、ゆっくりと噛みしめて味わいたい本です。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

at 18:50, 浪人, 本の旅〜日本

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りこのblog, 2007/10/30 9:02 AM

チベット山獄寺では家畜用の餌の様なフスマ(チベット僧の主食である粗末な食べ物)を喰らい、ビルマでは金色塔から発せられる電波によって黄金の催眠術に身を浸し、上海では上海蟹の惨劇に遭遇・・・。全東洋街道道中での日々の中で語られる人間模様。国籍・歴史・境遇

まことの部屋, 2007/10/30 4:52 PM

 写真は文句なく素晴らしいです。本書は写真集ではないのでしょうがないですが、写真そのものはやはり大判の写真集で見直したいと思います。 本文の中にも出てきますが、大自然の広い風景の中でとらえた動物の写真が特にいいです。 奥さんの等身大の言葉もとてもよい