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『反社会学講座』

Kindle版はこちら

 

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

 

社会学者の個人的な偏見をヘリクツで理論化したもの、それが社会学です。


本書は、『反社会学講座』という過激なタイトルが示しているように、社会学という学問に対する強烈な批判と皮肉に満ちています。

「少年の凶悪犯罪が激増している」
「パラサイトシングルやフリーターなど、自立しない若者が増えたのは問題だ」
「日本人は勤勉である」
「少子化によって年金制度が破綻する」……。

こういう言説は、テレビや新聞で何度も繰り返されたために、今では日本人の常識として定着してしまっていますが、千葉県在住の謎のイタリア人、パオロ・マッツァリーノ氏によれば、これらはそもそも「社会学者の個人的な偏見」なのであり、根拠薄弱なヘリクツに過ぎません。

問題なのは、社会学者がそうした個人的な偏見に、データを駆使した社会学的研究という「科学的」な装いをまとわせることです。それによって彼らは勝手に、日本人はこう生きるべきだという「人生の正解や理想社会の青写真を作り、そこからはずれたものを批判し、社会問題に仕立て上げる」のです。

もちろん、すべての社会学者がそんなことをしているわけではないでしょうが、マッツァリーノ氏はこの本の中で、マスコミ受けする俗流社会学を垂れ流すエセ学者たちを痛烈にこき下ろしています。

 

反社会学の目的は二つです。
第一に、社会学という学問が暴走している現状を批判すること。
第二に、不当な常識・一方的な道徳・不条理な世間体から人間の尊厳を守ること。


もっとも、この本の表紙イラストを見ればお分かりかと思いますが、これは単なるしかつめらしい告発の書ではありません。

むしろこの本は、学問と毒の効いた「お笑い」とを融合させた知的エンターテインメントなのです。

マッツァリーノ氏はこの本で、俗流社会学者のやり方そのものを逆手にとり、彼らが故意に無視しているデータや別の観点を示すことによって、彼らとは全く逆の、とんでもない結論を示してみせます。

そのやり方自体が、俗流社会学的な言説を生み出すシステムに対する痛烈なパロディになっているばかりでなく、マッツァリーノ氏の軽妙な語りとスパイスの効いたギャグも読者を楽しませてくれます。

この本は、マスコミと社会学者が押しつけようとする「正しい生き方」というステレオタイプから私たちを解放し、タテマエでガチガチになった頭を解きほぐす、ちょうどいい解毒剤になってくれると思います。

なお、本書はパオロ・マッツァリーノ氏のウェブサイト「スタンダード 反社会学講座」の内容を書籍化したもので、ウェブ上でも本書とほぼ同内容の記事を読むことができます。


パオロ・マッツァリーノ著 『反社会学の不埒な研究報告』の紹介記事
パオロ・マッツァリーノ著 『つっこみ力』の紹介記事


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

 

 

 

at 19:26, 浪人, 本の旅〜人間と社会

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