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旅の名言 「人の心の中にしか……」

人の心の中にしか残らないもの、だからこそ何よりも貴重なものを、旅は僕らに与えてくれる。そのときには気づかなくても、あとでそれと知ることになるものを。もしそうでなかったら、いったい誰が旅行なんかするだろう?


『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』 村上 春樹 新潮文庫 より
この本の紹介記事

村上春樹氏夫妻のスコットランド、アイルランドの旅をまとめた小さな旅の本、『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』のあとがきの一節です。

さりげない言い回しなのに、心に沁みる言葉です。

「旅に行っても、結局あとには何も残らないんだから、形の残るものに金を使った方がマシだ」とは、世間でよく言われる言葉です。あるいは、「若いうちに旅なんかして時間を無駄にするよりも、働けるうちにうんと働いて、老後、ヒマになったらゆっくり旅でもすればいい」と考える人も多いかもしれません。

こういう「現実派」の声は、旅に出かけない人ばかりでなく、旅する私たちの心の中にも存在していて、ときどき旅人を憂鬱な問いに陥れることがあります。「こんな旅をして、結局何の意味があるんだろう?」とか、「他の人が頑張って働いて金を貯めているときに、もしかして私だけ人生の貴重な時間を浪費してるのだろうか?」とか……。

でも私は、村上氏の言うように、旅は「心の中にしか残らないもの、だからこそ何よりも貴重なもの」を与えてくれると思っています。

こういう考え方は、「現実派」に言わせれば、少々ロマンチックすぎるのかもしれないし、何がどう貴重なのか、客観的な根拠を何も示していないかもしれません。

それでも、その「貴重なもの」は、旅人の内面で、確かに実感として感じられるものです。それは言葉で表現できる場合もあるし、できない場合もあるでしょうが、確かに「何か」が心に残っているはずです。

そしてそれは、旅が終わった後も、仕込まれた酒のように心の中で発酵を続け、ちょうどいい頃合になると、「いま」の暮らしに豊かで深い味わいを与えてくれるのだと思います。

私の旅も、今から何年後、何十年後かに自分で振り返ってみるとき、なお深い意味や味わいの感じられるようなものであってくれればいいのですが……。

at 19:11, 浪人, 旅の名言〜旅について

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