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『世界を見る目が変わる50の事実』

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

本書は、英国BBCのジャーナリスト、ジェシカ・ウィリアムズ氏が、日々のマスコミ報道ではほとんど取り上げられることのない世界の衝撃的な現実を、さまざまな統計資料や具体的な事例をもとに描き出したものです。

「中国では4400万人の女性が行方不明」
「ロシアで家庭内暴力のために殺される女性は、毎年1万2000人を超える」
「ケニアでは家計の三分の一が賄賂に使われる」
「武力紛争による死者よりも自殺者のほうが多い」
「世界にはいまも2700万人の奴隷がいる」

こうしたショッキングな見出しを見ると、これは一体どういうことなのか、どうしてそのようなことが起きているのか、もっと知りたくなります。この本には、各国の驚きの実情や、世界全体の憂うべき問題が、50のトピックで簡潔に述べられています。

中には、「アメリカ人の三人に一人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている」といった面白い話題もありますが、正直言って、ほとんどが目を背けたくなるような厳しい問題ばかりです。読んでいて気持ちのよいものではないし、人によっては絶望的な気分になってしまうかもしれません。

しかし、それでも、こうした事実を知らずに済ますわけにはいかないのだと思います。

この本を読んでいると、世界的な貧困の問題が強く印象づけられます。しかし意外なことに、ウィリアムズ氏によれば、富める国が貧しい国に手を差し伸べることは、少なくとも経済的には、それほど大きな負担にはならないというのです。

世界で最も富める国々の国民所得の一%足らずを用いれば、最悪の貧困は大幅に軽減できる。充分な食料、医療や教育などの基本的サービスは、すべての人々にいきわたり、新生児死亡率も下がり、疾病の蔓延も防げるのだ。


しかし、それが実現しないのが、現実の世界です。

何より、世界を取り巻く問題の多くは、富める先進国と貧しい途上国との、醜い不平等に起因していることだ。その緩和にまがりなりにも取り組むことができたなら、問題解決に向けて大きく踏み出せる。悪評高いグローバリゼーション――貿易、通信、投資を通じて世界がより深く結ばれること――も、正しく用いられさえすれば、解決への強力な一助になる。しかし、本書で明かされるとおり、これまで富裕国は、途上国に高い障壁を課して自国の経済を下支えし、グローバリゼーションをさらなる搾取の手段にしてきた。企業も、貧困国の安価な労働力や資源を使ってますます利益を上げてきた。


ウィリアムズ氏は、こうした状況を変えるためには、人々の意識を変えることが必要であり、そのためにはまず事実を知ることが大切な一歩だとしています。

確かに、それはとても大事なことで、実際にこうした本を通じて、多くの人が世界の問題を認識し、自分にできる範囲で、ささやかな行動を起こすことが必要だと思います。本書でも、問題によっては、すぐにでも手を打つことのできるいくつかの解決策が述べられています。

ただ私は、日本を含めた先進国の人々が、いまや国際的になった大競争の中で、自分の雇用や豊かな生活を守るために必死になっている状況で、果たして他の人の苦しみにまで目を向ける心の余裕があるのだろうかとも思います。

日本の外ばかりでなく、今や日本国内においても、貧困を始めとするさまざまな問題が噴出していることに、多くの人が気づいているはずです。しかし一方で、自分や家族の生活を守るために、休みなく働き続けなければならないという現実があります。

「負け組」になりたくない一心で頑張ることが、結果的に他者を押しのけ、まわりまわって貧しい国の人々の生活をも悲惨にしているのではないかと薄々気づいていながら、それをやめることができないジレンマ。

こうしたジレンマを解消するためには、遠回りのように見えますが、私たち一人ひとりが、自らのライフ・スタイルと、それを根底で支えている世界観を、根本的に見直していくことが必要だし、それが本当の意味で「意識を変えること」なのだと思います。

でもそれは、面倒で辛い作業です。私も、偉そうなことを言える立場ではなく、このままではいけないと感じながらも、結局、今の自分のやり方を変えたくない気持ちに押し切られることが多々あります。

それでも、こうした本を読んで現実の衝撃にさらされるたびに、そのことが、少しずつでも私たちが前に進むエネルギーを与えてくれるのだと思います。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします



JUGEMテーマ:読書

at 18:53, 浪人, 本の旅〜人間と社会

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