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『聖なる予言』

評価  ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

この本は、1990年代に世界中でベストセラーになった、スピリチュアル冒険小説です。

主人公の「私」は、再会した昔の友人から、ペルーで発見された古代文書の話を聞き、その謎に惹かれて現地へと旅立ちます。そして、そこで次から次へと起こる偶然の一致に導かれながら、その文書に書かれていたというスピリチュアルな知恵を一つずつ学んでいきます。

しかし、古代文書の説く知恵を世界に広めたくないと考える人々が、文書の存在を隠滅しようとし、主人公の身にも危険が迫ります。彼はペルーの各地を移動し、さまざまな冒険を繰り返しながら八つの知恵を身につけるのですが、やがて、第九の知恵をめぐる激しい争いへと巻き込まれていきます……。

実は、エンターテインメントという観点からすれば、そのストーリーや人物描写は、とりたてて優れているという感じはしません。この本を、純粋に物語として楽しもうという読者にとっては、期待外れに終わると思います。

ただ、著者のジェームズ・レッドフィールド氏は、自らのスピリチュアルなビジョンと思想を、順を追って丁寧に説明することに、より多くの力を注いだのでしょう。ニュー・エイジ思想のエッセンスを冒険物語の形式でわかりやすく伝えるという意味では、本書は狙い通りの成功を収めました。

何よりも、この本の大ヒットによって、「第一の知恵」である「偶然の一致(シンクロニシティ、共時性)」という現象に注目する人が、世界中でかなり増えたのではないでしょうか。

他にも、この本には、「エネルギーの場(オーラ)」や「波動」など、近代科学の見方とは異なる、ニュー・エイジ的世界観に基づく概念がいろいろと登場します。

こうした概念を受け入れられるかは人それぞれでしょうが、私は、この本を単なるおとぎ話として片付けてしまうのは惜しいと思うし、レッドフィールド氏はそれなりに一貫した世界観を提示しているように思います。

もちろん私には、「第九の知恵」で示される、かなりぶっ飛んだ未来社会のビジョンを含めて、いろいろと引っ掛かるところもあるし、著者の世界観をすべて真実だと言い切るつもりはありませんが、近代科学に基づいた現在の私たちの世界観を超えていく試みとして、この本、というよりニュー・エイジの潮流そのものに、非常に興味深いものを感じるのです。

それは、理屈としてどうこうというよりも、例えば、偶然の一致という、現在の科学では説明のつかない現象に注目することを含めて、『聖なる予言』に書かれているような知恵を前提にした生活をすることによって、私たちの人生が、再びその神秘と輝きを取り戻すのではないかという期待を感じさせられるからです。

ただし、この本には副作用もあります。偶然の一致から始まる「人生の意味」探しは、ワクワクするような体験になることは確かですが、あまりにもそれにのめり込み、むやみに「意味」にこだわりすぎても、かえって何がなんだかわからなくなるし、息苦しくなります。

「現実世界」とニュー・エイジ的世界との間でほどほどにバランスを取り、どちらかに中毒し過ぎないことも大切だと思います……。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします



JUGEMテーマ:読書

at 19:02, 浪人, 本の旅〜旅の物語

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