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『ガンジス河でバタフライ』

Kindle版はこちら

 

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

この本は、有給休暇で世界をさすらう銀座OL、たかのてるこ氏の作家デビュー作です。先日TVドラマ化もされたので、タイトルをご存知の方も多いと思います。

本書では、初めての海外ひとり旅(香港、シンガポール、マレーシア)と、2回目のインドへの旅(カルカッタ、ブッダガヤ、バラナシ、ボンベイ)での出来事を描いているのですが、トラブル連続の常人離れした旅を、終始ハイテンションな文体で描いていて、とにかくそのパワーに圧倒されます。

たかの氏は、海外を放浪する兄を見て育ったせいか、自分も世界を股にかける旅人になりたいと憧れていましたが、小心者のため、なかなか最初の一歩を踏み出せずにいました。しかし、腹話術師になった母の姿に刺激された彼女は、20歳の夏に、ありったけの勇気を振り絞って海外ひとり旅に挑戦し、ついに「旅人デビュー」を果たします。

といっても、その旅のスタイルは、初心者とは思えないほど大胆です。ひとり旅というだけでなく、予定を立てず、ガイドブックを持たず、お金もあまり持たず、ドミトリーに泊まりながら、現地で出会う人々に導かれるように、行き当たりばったりの「体当たり系」の旅を続けていくのです。

例えば、2回目のインドの旅では、無礼講の祭り「ホーリー」の狂乱の真っ最中にカルカッタに到着してしまったり、夜行列車の中で出会ったインド人家族の家に泊まったり、ガンジス河ではバタフライをしていて死体にぶつかったりと、思わず話に引き込まれずにはいられないような数々の武勇伝が語られています。

島田紳助氏が、単行本の帯に「これを読んでこんな旅をしてみたい! と思ったヒト、あかん、やめとき、絶対死ぬで!」と書いたそうですが、まさにそんなコメントがピッタリです。

しかし、そうした旅の日々には、日常生活ではなかなか味わえない、生きている実感を呼び起こすような「何か」があるようです。彼女は、筋書きのない刺激的な旅を重ねるうちに、海外ひとり旅が「痛快で、スリルと期待に満ちた、最高のエンターテイメント」であることを知ってしまったのでした。

ところでこの本は、たかの氏の初めての海外旅行を描いているのですが、彼女がこれを書いたのは、実際の旅から10年近く経ってからのことです。

それまでの間、社会人として経験を重ねてきたせいか、この本では初めての旅の興奮とドタバタぶりを描きながらも、その文章には、いい意味での社会人としてのバランス感覚も働いているように見えます。

また、年季の入った旅人らしく、旅人の心に響くツボもしっかり押さえてあります。文章の端々ににじみ出る旅人らしい人生観も、ある意味では真っ当すぎてベタかもしれませんが、シンプルで、とても力強く感じられます。

バックパッカー体験者なら、楽しく読むうちに、自分が初めて海外へ旅した頃の新鮮な感動や、何でもないことで右往左往した恥ずかしい経験を思い出して、とても懐かしい気持ちになるだろうし、この本からもらうエネルギーで、また旅に出たいという気持ちをかきたてられるのではないでしょうか。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

 

 

 

JUGEMテーマ:読書

 

 

 

at 19:23, 浪人, 本の旅〜インド・南アジア

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