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『社会学入門 ― 人間と社会の未来』

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評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

本書の「社会学入門」という硬めのタイトルからは、無味乾燥で教科書的な内容を想像される方が多いと思います。

しかし実際に読んでみると、この本のねらいはもっと深いところにあるようで、人間と社会に関する探究の前提となる、「社会学の<魂>」ともいうべきものの一端を、何とかして若い人たちに伝えたいという、見田宗介氏の熱い思いが伝わってくるユニークな本であることがわかります。

見田氏は、「人間はどう生きたらいいか」という、人生における根源的な問題意識から出発し、そこから派生する「死とニヒリズムの問題系」と「愛とエゴイズムの問題系」を、経験科学的な方法で追求するために社会学の道へと進んだと語ります。

自らの生に関わる鮮烈な問題意識が先にあって、その解決を求めてどこまでも探究を続けていけば、それは結果として専門領域の壁を乗り越え、「越境する知」とならざるを得ません。

また、インドやラテンアメリカのような、同時代のいわゆる辺境への旅を通じて、あるいは人間社会がたどってきた歴史的なプロセスの探究を通じて、私たちは現代社会とは異なる世界のあり方を知り、そうした異世界との比較を通じて、自らの認識を狭めている「自明性の檻」から意識を解き放ち、広い視野と柔軟な想像力を獲得することができます。

それはある意味で、生きていく中で誰もが必然的にたどっているプロセスを、自らの手によって意識的に加速する試みだといえるかもしれません。

 

 

このような社会学の方法としての「比較」は、<他者を知ること>、このことを通しての<自明性の罠>からの解放、想像力の翼の獲得という、ぼくたちの生き方の方法論と一つのものであり、これをどこまでも大胆にそして明晰に、展開してゆくものです。

 


そうして得られた明晰さによって、現代社会は人類史の大きな流れの中に位置づけられ、現代がいかなる時代であるか、そこに至るまでに私たちが手に入れてきたもの、失ってしまったものの本質が明らかになるのです。

さらに見田氏はそこから踏み込んで、近未来において、人それぞれが「魂の自由」を解き放つことのできるような理想の社会はどのようなものであるべきか、その形式を理論的に構想しています。

もちろん、新書という限られた紙数の中では、こうしたテーマについてアウトラインが示されるだけなので、その細部について、読者は具体的なイメージを思い描けるところまではいかないだろうし、結論部分で見田氏の提示する社会構想自体をどう受け止めるかも、人それぞれだと思います。

しかし、制度化された学問としての社会学を学ぶためというよりは、それぞれの個人が人間と社会について、自らの問題意識に基づく真剣な探究を続けていくための一つの入口として、本書はさまざまのヒントに満ちていると思います。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

 

 

 

 

 

JUGEMテーマ:読書

 

 

 

at 19:07, 浪人, 本の旅〜人間と社会

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