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『森と氷河と鯨 ― ワタリガラスの伝説を求めて』

文庫版はこちら

 

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

アラスカに魅せられ、その自然と、そこに生きる人々の姿を追い続けてきた写真家の星野道夫氏。彼は1996年、ロシアのカムチャツカ半島でキャンプ中に、ヒグマに襲われて亡くなりました。

この本は、未完に終わった雑誌連載と、死の直前に綴られた日誌がまとめられた彼の遺作です。

この写真紀行は、星野氏がクリンギット・インディアンのボブ・サム氏に出会うところから始まります。スピリチュアルな雰囲気を漂わせる彼との不思議な出会いに導かれるようにして、星野氏は南東アラスカの各地を旅するのですが、アラスカやカナダだけでなく、シベリアのモンゴロイドの神話でも大きな役割を果たすワタリガラスの伝説を追ううちに、彼の旅はアラスカ北部へ、さらにベーリング海峡を超えてシベリアへと続いていきます。

 

 

 ぼくは、深い森と氷河に覆われた太古の昔と何も変わらぬこの世界を、神話の時代に生きた人々と同じ視線で旅をしてみたかった。この世の創造主であるというワタリガラスの神話の世界に近づいてみたかった。それとも、自分の心はそれができないほど現代文明の固い皮膜に包まれているのだろうか。

 


厳しくも美しいアラスカの自然をとらえた、ため息の出るような写真の数々を眺めていると、心が次第に鎮まっていくような気がします。というよりそれは、何か私たちよりも圧倒的に大きな存在というものを感じて、畏怖の念に打たれ、心が沈黙してしまうといったほうが適切かもしれません。

また、星野氏の、素朴で誠実で、スピリチュアルな気配の漂う文章を読んでいると、人間が生きていくうえで本当に重要なものとは何か、本を閉じて、しばらくの間考えずにはいられなくなります。

星野氏の急逝によって、この写真紀行は未完のままとなってしまったし、彼の心の中で表現されないままに存在していたさまざまなものは、もう作品となって私たちのもとに届くことはありません。

それが、とても残念です。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

 

 

 

 

 

JUGEMテーマ:読書

 

 

 

at 19:16, 浪人, 本の旅〜南北アメリカ

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