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『インドなんて二度と行くか!ボケ!! …でもまた行きたいかも』

文庫版はこちら

 

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

この本は、インドを旅するバックパッカーの前に立ちはだかる数々のトラブルをコミカルに描いた異色の旅行記です。

自称ひきこもりのさくら剛氏は、ある日、一念発起して一人でインドへ向かい、デリー、バラナシ、ジャイプル、アグラという、北インド観光の定番コースを旅します。

しかし、この本のほとんどを占めるのは、街を歩けば次から次へと押し寄せてくる「不良インド人」たちとの不毛な戦いと、初めてのインドで襲われるカルチャーショックの数々です。

リクシャーに乗れば、目的地ではなく旅行代理店やみやげ物屋に連れていかれ、放っておけば彼らの術中にはまって、いらないモノをとんでもない高額で買わされそうになります。なんとかそこを脱出して目的地に着いても、リクシャワラー(リクシャーのドライバー)に不当な料金を要求されて怒鳴り合いのケンカになります。

街を歩けば男たちが次々に声をかけてきますが、彼らは金を目当てに見えすいたウソをつく、信用ならない奴らばかりです。

そして、右手でカレーを食べ、左手で「大」を処理し、物乞いに迫られ、原因不明の高熱で倒れ、ついにはお約束の激しい下痢……。

こういうことは、インドを旅するバックパッカーなら誰もが経験していることで、ある意味では、インド入門の通過儀礼みたいなものなのですが、この本のユニークなのは、そうしたインド人や、街で出くわした変なモノにいちいちツッコミを入れていった結果、それが一冊の本になってしまったということです。

さくら氏に限らず、多くの旅人はインド人の理不尽なふるまいにイライラしたり、怒鳴り合いのケンカをした経験があるはずです。私も似たような経験を何度もしているのですが、この本を読んでいると、不思議と怒りよりもおかしさがこみ上げてきます。

もちろんそれは、この旅行記自体が「お笑い」として書かれていて、さくら氏がネタを非常にうまく料理してくれているおかげなのですが、それに加えて、自分も今までインド人と何度もケンカをしてきたけれど、それは結局、ボケとツッコミのかけ合いみたいなものだったのだ、あの時は本気で怒ってしまったけれど、今思えば、実は私もインド人と漫才を演じていただけなのかもしれないと思えてきて、何だか救われたような気分になるのです。

バックパッカーを相手に小金稼ぎをするインド人たちの多くは、確かにうっとうしくて神経を逆なでする奴らです。でも彼らには、「なんだかんだ言って最後までワルになりきれない」人の良さみたいなところもあります。

この本の中で、さくら氏はインドとインド人をさんざんにこき下ろしているのですが、それがイヤミになっていないのは、そんなインド人に対する、そこはかとない愛情も同時に伝わってくるからでしょう。

こういう本を読んでいると、インドの面白さというのは観光名所にあるのではなく、むしろ、そこへ行こうとする旅人を邪魔しているとしか思えないインド人たちとの摩擦のプロセス自体にあるのではないか、少なくとも若い旅人たちにとってはそうなのではないか、という気がします。

それにしても、さくら氏は、自分のことをひきこもりと言っていますが、これを読む限り、適度にインド人にダマされながらも、要所要所では自分を見失わず、しっかりと、したたかに旅を楽しんでいるように見受けられます。特に本書の後半など、むしろインド人の術中にハマったふりをして、彼らとのバトルを楽しんでいるような感じさえします。

バックパッカーとしてインドに行ったことがある人は、この本で大いに笑えると思うし、これからインドに行こうと思っている人は、この本を一読しておけば、「不良インド人」の行動パターンをしっかり予習でき、少しだけ余裕をもってインドへの旅に足を踏み出せるかもしれません。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

 

 

 

JUGEMテーマ:読書

 

 

 

at 18:45, 浪人, 本の旅〜インド・南アジア

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