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『西南シルクロードは密林に消える』
評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
「西南シルクロード」というものを、私はこの本で初めて知りました。
それは中国四川省の成都とインドを結ぶ古代の通商路で、成都近郊で発見された出土品から、その起源は三千年前にまでさかのぼるとも言われています。
しかし、そのルート上のミャンマー北部やインド最東部の山岳地帯では、現在でもカチン独立軍やナガ軍など、少数民族の反政府ゲリラが武装闘争を続けており、そこは学者やジャーナリストでさえほとんど立ち入ることのない究極の秘境でもあります。
高野秀行氏は、戦後では世界初となる成都からカルカッタまでの西南シルクロード全踏破を目指し、2002年の春に成都を出発します。雲南省まで南下したあと、知り合いのつてで紹介されたカチン軍の手引きで、国境の瑞麗(ルイリ)からミャンマー北部に潜入します。
この先、彼ら一行の旅は波乱の連続で、先の読めないその展開はぜひ実際に本書で楽しんでいただきたいのですが、一部ネタバレでその概要を紹介すると、高野氏はさらに国境を越えてインドに抜け、ナガランド州のモコクチュンに辿り着くまで、反政府ゲリラに護衛されながら、(途中、象に乗ったり、クルマやボートでの移動もあるものの)2カ月もの間、ジャングルの中を歩き続けることになるのです。
実は、反政府ゲリラといっても、カチン軍は当時ミャンマー政府軍とは停戦中だったし、ナガ軍についてもインド軍との停戦交渉が進んでおり、実際に内戦に巻き込まれる危険性はそれほど高くはありませんでした。
しかし、高野氏自身が密入国をしているため、中国・ミャンマー・インドいずれの政府に見つかっても極めて重大な結果を招きかねませんでした。そのため、一行は政府側の検問を避け、人目を忍んでジャングルの中を進むほかなくなってしまったのです。
政府軍との停戦から数年以上経ち、ジャングルに潜む必要がなくなっていたため、カチン軍のかつての行軍ルートは生長する密林の中に呑み込まれかけており、旅は困難を極めます。
考えてみれば、高野氏と旅をともにする反政府ゲリラの一行は、外国人密入国者を受け入れたがゆえに、ある日突然、ジャングルの道なき道をたどる苦労をさせられる羽目になったわけです。高野氏は、自分の存在が巻き起こしている、そのあまりにも不条理な状況に、「日陰者」の思いにさいなまれながら旅を続けるのですが、そうした苦しみとハプニングに満ちた過酷な旅が、逆に一行の心を強く結びつけていくのでした。
ただ、西南シルクロードという言葉のロマンチックな響きとは裏腹に、そのルート上では巨大遺跡に遭遇するわけでも、驚くべき新発見があるわけでもなく、現地の人々の生活ぶりも質素で地味です。
そういう意味では、この本が一般の関心を呼ぶことはないのかもしれませんが、高野氏の四カ月の旅の内容そのものは、普通の旅のレベルをはるかに超えており、他にあまり例のない特殊な旅行記として、旅好きの人なら一読する価値があると思います。
また、この本は、他民族に支配されることを潔しとせず、誇り高くも絶望的な戦いを続ける人々、「まつろわぬ民」の現在をリアルに描いた貴重なルポでもあります。敬虔なクリスチャンで生真面目だけれど、時にはお茶目な一面も見せるカチンの人々や、「未開」の生活とグローバルな消費文化が同居するナガ人の暮らしぶりなどが、生き生きとした、そして適度に力の抜けた絶妙の文章で描かれています。
ところで、一般の旅行者に開放されていない地域を反政府ゲリラのエスコートで旅するというのは、旅人にとって究極の「裏ワザ」なのですが、もちろん失敗すれば悲惨な結末を招きます。
近代国家の主権を侵害したくないという人や、信頼できるゲリラの友人のいない旅人は、「俺もやってみよう!」なんて思わずに、こうした本を読むだけでガマンしてください……。
本の評価基準
以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。
★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします
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障害報告@webry, 2011/06/08 12:42 AM
Appleに殺されてしまうひと達まとめ、あるいはプラットフォームに依存するということ - yifeの日記 http://d.hatena.ne.jp/yife/20110607/p1 PCの周辺機器屋みたいな話だな DOS時代のSCSIの外付けHDDやCD-ROMドライブ売ってた会社は Windows95の時に普通にHDD付いて