このブログ内を検索
新しい記事
記事のカテゴリー
            
過去の記事
プロフィール
            
コメント
トラックバック
sponsored links
その他
無料ブログ作成サービス JUGEM
<< 『西南シルクロードは密林に消える』 | main | アジアのバス旅(2) >>

アジアのバス旅(1)

◆ アジアの旅はバスの旅

 アジアの各地をバックパッカーとして旅していたとき、日本との往復の飛行機は別にすると、移動手段はもっぱらバスでした。

もちろん、中国やインドといった大国では鉄道網が発達しているので、長距離の移動にはそちらを利用します。それでも、鉄道が国中の町をすべて結んでいるわけではないので、数十キロ〜数百キロ単位の移動はバスに頼ることになります。

というわけで、私にとってアジアの旅とバスは切っても切れない関係にあるのですが、今思い返してみると、ボロボロのローカルバスで悪路を一日中揺られるような苛酷な旅の日々が、ある意味では自分にとっての旅のハイライトだったような気がします。

時にはうんざりしながらも、そんなバス旅を何度も繰り返していたということは、その当時は自分でもはっきりと意識していたわけではありませんが、私がローカルバスの旅をこよなく愛していたということなのかもしれません。

それにしても、私はバス旅のどこに惹かれていたのでしょう?

「好きなものに理由なんかいらない!」と言ってしまえばそれまでだし、同じようなバス旅の愛好家なら、あえて余計なことを語らずとも分かってもらえるのかもしれません。

しかし今回は、さまざまな国での体験から構成した、想像上のバス旅の典型的な一日をたどってみることで、その魅力の理由を改めて考えてみたいと思います。


◆ バスターミナル

ラオスのような小さな国を除けば、首都圏や大都市の大きなバスターミナルともなると、あらゆる方角に向かう無数のバスが絶えず発着を繰り返しています。

オンボロバスの騒音や排気ガス、クラクションの嵐だけでも相当なものですが、出入り口にぶら下がって行き先を連呼する車掌の兄ちゃん、行き交う大勢の旅人と彼らの引きずる大量の手荷物、旅人相手の食堂・屋台や雑貨屋のにぎわい、バスの中まで入ってきてガムやタバコを売り歩く子どもたち、盲目の歌い手や物乞い、あたりを勝手気ままにうろつく動物たちが、混沌とした、何ともいえない熱気を醸し出しています。

日本からやってきた旅人の目には、これはまさに異次元空間に映るのではないでしょうか。アジアの大都市のバスターミナルは、自分が今、異国を旅しているのだと強く実感させてくれる場所のひとつです。

ターミナルに発券カウンターがある場合はそこでチケットを買い、お目当てのバスを探して乗り込もうとすると、すでに大勢の地元民で満員になっています。座席の下、周囲だけでなく、屋根の上にもうず高く荷物が積み上げられて、まるで集団で夜逃げでもするみたいです。

ここで運よく席が確保できたとしても、それはたいてい最後部の座席です。舗装状態が悪いか、あるいは全く舗装されていない悪路を走るローカル路線では、後部座席は揺れと跳ねとホコリがものすごいので、地元の人も座りたがらないのでしょう。要領の悪い外国人旅行者は、どうしてもそういう席に追いやられてしまいがちですが、これは考えようによってはなかなかいい席でもあります。

一番後ろの席からは、車内で起きている出来事がすべて一目で見渡せます。バスの旅は早朝から始まって夕方まで、運が悪ければ深夜とか翌日まで続くことになりますが、その間車内で起きるあれこれを、すべて後ろから鑑賞できる特等席でもあるのです。

バスの車体には派手なカラーリングや装飾が施されて、いわゆる「デコトラ」状態になっていることも多く、そこにはお国柄や、その地方独自のパターンが表れていたりして見飽きません。ときには、日本で引退した路線バスが、カラーリングや日本語の表示もそのままで使われていることもあります。

しかし、外見がいくら派手であっても、実際に乗り込んでみると、バスが相当くたびれていることは一目瞭然です。もともと中古車が多いということもあるのでしょうが、毎日悪路を走らされるバスにとっては「老化」も相当早いはずで、仮に新車を導入しても、すぐにガタがきてしまうのでしょう。

大都会はともかく、地方の町では、発車予定時間になってもバスがなかなか発車しないのが普通です。客がある程度集まるまで、ただひたすら待たされることもあるし、発車したかと思えば、バスが街の中をぐるぐると走り回り、車掌の兄ちゃんが行き先を連呼して客引きをする場合もあります。時には、これだけで何時間も経ってしまいます。

そんなときは、ただひたすら待つよりほかありません。

座席を確保したままじっと待ち続けていれば、いつかは出発できる時がやってくるはずです。待ちくたびれてすでに尻が痛くなっている身としては、とにかく町外れに向かって走り出してくれるだけでもホッとして、もうすでに一仕事終わったような気がするほどです。

しかし、ようやく出発したかと思ったのもつかの間、バスは近所のガソリンスタンドに立ち寄ってのんびりと給油を始めます。日本人的感覚なら、「ガソリンくらい先に入れとけよ!」とつっこみたくなるところですが、ここは日本ではありません。もしかしたら、バス会社は、客から集めたバス代でやっとガソリンが買えるというような、自転車操業状態なのかもしれません。

(続く)

記事 「アジアのバス旅(2)」


JUGEMテーマ:旅行

at 18:46, 浪人, 地上の旅〜旅全般

comments(0), trackbacks(0)

スポンサーサイト

at 18:46, スポンサードリンク, -

-, -

comment









trackback
url:http://ronin.jugem.jp/trackback/486