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『明晰夢 ― 夢見の技法』

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

この本は、現代における明晰夢研究の第一人者である神経生理学者のスティーヴン・ラバージ氏が、明晰夢という現象のもつさまざまな可能性や明晰夢を誘発する技法について、一般向けに解説したものです。

明晰夢とは、「夢を見ているという完全な自覚を保ちながら夢を見る」ことです。自然にそのような現象が起こるのは稀ですが、そのとき、夢の中の世界は非常に鮮明でリアルに感じられ、しかもその夢の内容を、見ている本人がある程度コントロールできるといいます。

ラバージ氏は5歳の頃からそうした体験をしていましたが、やがて彼は、この不思議な現象について科学的に解明しようと試みます。

彼は、夢を見ているレム睡眠の間は体が麻痺してしまうものの、目だけは動かせることに目をつけ、自分が明晰夢を見ているときに、あらかじめ打ち合わせたとおりに意図的に目を動かすことで、実験室で彼をモニターしている観察者とコミュニケーションをとることに成功しました。

これによって、「夢の中で目覚める」という現象が、神秘的な作り話や妄想ではないことが証明され、自然科学の枠組みの中で研究できることが示されたのです。

その後、彼は、同じように明晰夢を見ることのできる「夢航行士」(oneironauts、オーナイロノーツ)たちの協力も得ながら、明晰夢という主観的な経験と、客観的に測定できる生理学的プロセスとの関連や、明晰夢の誘導・安定化の技術について、さらに本格的な研究を進めています。

明晰夢のもたらす迫真的でしかも自由な世界は、ある意味では、映画を超える究極のエンターテインメントとして非常に大きな魅力がありますが、この本ではその他にも、明晰夢の体験者の前に開かれる素晴らしい可能性の数々が詳しく語られています。


たとえば、人格的成長や自己啓発の推進、自信を深めること、心身の健康の増進、創造的に問題を解決する能力の促進、そして自己統御への道を進むといったことの一助となる可能性が、明晰夢には大いにあるのだ。

ただ、こうした「効能書き」を並べられるよりも、百聞は一見に如かず、読者としてはとにかく実際に明晰夢を体験し、それがどのようなものであるかを自分の目で確かめてみたくなるのではないでしょうか。

ラバージ氏は、明晰夢は特別な能力に恵まれた人だけに起こる現象ではなく、夢の中で目覚めようという強い意図をもち、夢見の技法を習得すれば、誰にでも誘発することが可能であると強調し、読者を勇気づけてくれます。

この本には、ラバージ氏が開発したMILD(Mnemonic Induction of Lucid Dreams 記憶によって明晰夢を誘導する方法)と呼ばれるテクニックが紹介されています。これは、したいことと、それをしようとする将来の状況との間に心理的な関連を作る方法を応用して、夢見の最中に、夢を見ていることを思い出そうというものです。


1.早朝、自然に夢から覚めたら、記憶するまで何度も夢を思い返してたどる。
2.次に、ベッドに横になったまま眠りへと戻りながら、「次に夢を見るとき、私は、自分が夢を見ていると認識することを思い出したい」と自分に言い聞かせる。
3.リハーサルとして、夢の中に戻ったときの自分自身を視覚化する。ただし今度は、実際に夢を見ていると認識している自分を想像する。
4.自分の意図がはっきりしたと感じるか、寝入ってしまうまで、2と3の手順を繰り返す。

これがどれくらい役に立つかは人それぞれでしょうが、興味のある人には試してみる価値があるでしょう。まずは、こうした地道な努力が、新しい世界への入口になるわけです。

この本では、こうした実践に関する記述よりも、明晰夢に関する考察の方が多いので、気軽には読みづらい部分もあると思いますが、明晰夢に興味のある人なら一通りは目を通しておきたい、基本的な文献だと思います。


マルコム・ゴドウィン著 『夢の劇場 ― 明晰夢の世界』 の紹介記事
チャールズ・マックフィー著 『みたい夢をみる方法 ― 明晰夢の技術』 の紹介記事


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします



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at 18:31, 浪人, 本の旅〜魂の旅

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