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南京虫大発生

香港を旅したときのことです。

ベトナムのホーチミンから、飛行機で香港に飛びました。当時、ランタオ島の新空港が開港するまであと数カ月という時期だったので、九龍半島の市街地にあったカイタック(啓徳)空港へのスリル満点の着陸は、これで見納めでした。

数年ぶりに空から眺める香港は、以前よりさらにビルが増えたようで、地上をビルがビッシリと埋め尽くす姿には現実感がまったく感じられず、まるでシム・シティの画面のようでした。

飛行機はそのビルの波の中へ突っ込んでいきます。

ほとんど激突かと思われた瞬間、ビルの群れの中にボコッと穴があき、滑走路が現れました。もちろん無事着陸しましたが、まるでビルで出来た「すり鉢」の底に落ちていくようなスリル(というより恐怖)は、本当にここだけでしか味わえない感覚でした。

着陸を堪能したあと、数年前に泊まった日本人宿の某有名ゲストハウスを目指そうとしたのですが、場所を忘れてしまい、ツーリスト・インフォメーションに聞いても、安宿すぎて扱っていないと言われ、仕方なく重慶大厦(チョンキン・マンション)の隣の美麗都大厦(ミラドール・マンション)内のゲストハウスにチェックインしました。

それでも、何とかしてその日本人宿を見つけ出したいという思いは消えませんでした。

以前にそこに滞在していたときには、宿泊者同士で、さらには香港で働く日本人まで遊びにやってきて、たわいない話で毎晩遅くまで盛り上がったし、宿で知り合った旅人と九龍城を「探険」したりと、楽しい思い出がいっぱいで、今そこがどうなっているかぜひ一目見て、できればまた泊まってみたかったのです。

翌日、おぼろげな記憶を頼りに、何度もそれらしき場所を歩き回ったあげく、ようやくゲストハウスの看板を見つけました。

しかし、階段を昇って受付に行ってみると、宿泊客の姿はほとんど見当たらず、妙に閑散としています。これでは、たとえ泊まっても、ドミトリーならではの面白さがありません。みんなで話をして盛り上がるという感じではないし、旅の情報も得られそうにありませんでした。

しかも、2~3人ほどいた日本人宿泊者は、みんな元気のないやつれた顔をして、体をボリボリとかきむしり、口々に「かゆい! かゆい!」と連発しています。

どうも、南京虫にやられたようです。彼らは親切にもTシャツをまくって見せてくれましたが、全身、赤いブツブツだらけになっていました。これはどう考えても数匹というレベルではありません。宿の中で南京虫が大発生しているとしか思えませんでした。

しかし、宿のスタッフは、殺虫剤をまくなり、布団を虫干しするなりという対策をとっているようにも見えなかったし、今後もそうするようなそぶりは見えませんでした。この宿では、ふだんは番頭役の日本人アルバイトが常駐して管理をしているらしいのですが、本格的に南京虫を駆除するとなると、相当な手間も費用もかかるはずで、きっとアルバイトだけでは対応できないのでしょう。

さすがにこれでは、あまりのかゆさに夜も眠れないだろうし、何より自分があのようなブツブツだらけになるのが恐ろしくて、さすがにそのゲストハウスに移るのは断念しました。

それでも、人数が少ないとはいえ、日本人がいるというのは貴重です。

短い旅ならそれほどでもないのでしょうが、多少の長旅となると、日本語で話せる機会というのはなかなか貴重なのです。経験した人なら分かってもらえると思いますが、カタコトの現地の言葉や英語だけで生活していると、情報交換以前の問題として、何でもいいから日本語を話したいという思いが強くなってくるのです。

私は、アルバイトの番頭さんや宿泊客たちと、夕方までダラダラと話をしてから自分の宿に戻りました。

この某ゲストハウスは、今でも営業しているようです。確信をもって言うことはできないのですが、きっと当時の南京虫騒動も、なんとか無事に乗り越えたのでしょう……。


JUGEMテーマ:旅行 

at 18:40, 浪人, 地上の旅〜中国

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