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旅の名言 「旅先では……」

 放浪の旅はたんに人生の一部を長期間の旅に当てることではなく、時間という概念そのものを再発見することなのだ。日常の生活においては、われわれはつねに要点を把握して物事を片づけるよう習慣づけられている。目的を念頭に置きつつ効率を重んじ、瞬時に判断を下していかなければならない。でも旅先では、先々のスケジュールを気にすることなく、目にするものすべてにまた新しい目を向け、一日、一日を自由に過ごすことを学ぶことになる。

『旅に出ろ! ― ヴァガボンディング・ガイド 』 ロルフ・ポッツ ヴィレッジブックス より
この本の紹介記事

またまた、放浪の旅へのガイドブック、『旅に出ろ!』からの名言です。

やや抽象的な表現なので、この文章にピンとこない方もおられるかもしれませんが、ある程度長い旅をして、旅の中でいろいろと思索したことのある人なら、ポッツ氏の言わんとするところが何となく理解できるのではないでしょうか。

ポッツ氏によれば、私たちの日常生活と放浪の旅とでは、時間の使い方、というよりも時間のとらえ方が根本的に違うのです。もっとも、これは放浪の旅すべてがそのようなものであるというよりは、彼にとっての真の放浪とは、そのようなものを意味するということなのですが……。

いわゆる先進国の、特に大都会での日常というのは、明確な目的意識・瞬時の判断・効率的な行動の積み重ねによって成り立っています。

都会で暮らしていくには、住むところを始めとして多大なコストがかかるし、さまざまな欲望をかきたて、誘惑する機会も数え切れません。そんな中で、自分がやるべきことを見失ったり、ムダなことに首を突っ込んだりしていては、人生に成功するどころか、都会でまともな生活を続けていくことも難しいでしょう。

私たちは、都会的な生活の中で揉まれるうちに、目的という未来の一点に向けて注意を集中し、システマティックな行動を計画し、目標に至る最短ルートを駆け抜けるような生き方を身につけていきます。そのルートの途中では、私たちの気を引くさまざまなものを目にするかもしれませんが、自分の目的に関係のないものや、目標達成の障害になりそうなものは無視し、排除するコツを覚えていくのです。

それは現代人にとって、どうしても必要な生活技術なのですが、そうした生き方にどうしても違和感を感じ、なじめないという人もいるはずです。それに、人生の目標がいまだに見つかっていない人や、ハッキリと定まっていない人は、そもそも目標に向かって走り出すことができません。

また、目的を効率的に追求するといっても、あまりにもそれを突き詰めすぎれば、未来の何かのために現在をひたすら犠牲にするような毎日となり、生活そのものが、味もそっけもない、砂を噛むようなものになってしまうこともあるのではないでしょうか。

そんなときは、一つの方法として、ポッツ氏の言うような意味での放浪の旅が、私たちにもう一度、新鮮な気持ちでこの世界と向き合うようになるきっかけを与えてくれるかもしれません。

目標や計画、効率といったものをいったん棚上げにして、まっさらな気持ちで旅先のリアリティに向き合うこと。幼い子供のように、目にするものすべてに新鮮な驚きを感じ、将来の目標のためではなく、今現在の一瞬を深く味わうこと。

目的や将来の計画に縛られず、今ここでやりたいと思うことを見出し、それに素直に従うような日々を旅先で過ごすことで、私たちは、都会の忙しい日常の中でいつの間にか忘れてしまっていた感覚を取り戻すことができるかもしれません。

異国の見知らぬ環境に飛び込み、風の向くままぶらぶらと旅するという行為は、とにかく理屈ぬきに新鮮な驚きの連続を味わえるという意味でも、一日一日を大切にし、自由な気持ちで過ごすコツを学ぶという意味でも、私たちの時間に対するとらえ方を見直す、またとない機会なのかもしれません。

もちろんそれは、言葉の通じない不安、慣れない生活の不便、さまざまな失敗やトラブル、移動生活に伴う肉体的・精神的疲労など、さまざまの苦労と引き換えにようやく得られるものなのですが……。


JUGEMテーマ:旅行

at 18:44, 浪人, 旅の名言〜旅の時間

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