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日本列島に眠る「珍味」

先日、ネット上でこんなニュースを見かけました。

 【三大珍味トリュフ国内自生15種 東大研究所 遺伝子解析で確認】

 世界三大珍味のひとつとされ、高級食材として珍重されるトリュフの仲間(セイヨウショウロ属)が、国内に少なくとも15種自生していることを、東京大アジア生物資源環境研究センター(東京都西東京市)などが、初の遺伝子解析による分類で突き止めた。

 国内では従来、数種類が報告されていたが、これを大きく上回り、ほとんどが新種とみられるという。ただ、これらが食用に適するかは詳しく調べておらず不明という。

 同センターの奈良一秀助教(菌根菌学)と博士研究員の木下晃彦さんらは、北海道、神奈川、大分など14道県の林で採取したセイヨウショウロ属の子実体(キノコ)162個についてDNAの塩基配列を調べた。その結果、高級フランス料理に欠かせない黒トリュフの安価な代用品として流通している中国産トリュフと近縁の3種、欧州でしか発見例のない“祖先型”に近い2種、白くて小さい7種のほか、既知のトリュフとは遺伝的にかけ離れた2種など計15種が確認された。

 奈良さんによると、欧州では1万年以上前の氷河期に樹木が失われてトリュフが激減。黒トリュフの仲間はアジアの方が遺伝的に多様で歴史が古いと考えられており、今回の発見はこれを裏付けているという。

 奈良さんは「条件に合ったマツやコナラなどの林があれば、日本ではどの地域でもトリュフが見つかる可能性がある」と話している。

(産経新聞 2009年4月18日)


私はトリュフというものを食べたことがありません。もしかしたら、何かの料理に「混入」しているのを、自分でも知らずに食べてしまったことはあるかもしれませんが、少なくとも、トリュフがどんな味と香りのする食材なのか、いまだに知りません。

それでも、テレビで紹介される高級そうな西洋料理には、削ったトリュフがまるでお約束のように振りかけられていたりするので、ヨーロッパで珍味といえばトリュフ、みたいな知識だけはあります。
ウィキペディア 「セイヨウショウロ(トリュフ)」

日本各地で続々と見つかったトリュフが食べられる種類のものなのか、仮に食べられるとしても、果たして美味しいのかどうかという肝心な点に関しては、残念ながら不明ということですが、これらがもしあのトリュフと同じ味のするものなら、日本各地の山々に、珍味が人知れず眠っていたということになります。

ただ、日本でトリュフが見つかったといっても、そこらじゅうでゴロゴロ見つかるというものでもなさそうです。もしそうであれば、学者が発見するまでもなく、すでに多くの日本人にその存在を知られていたことでしょう。だとすれば、やはりそれは日本においても「珍」味であることに変わりはなく、今後も、そう簡単に食べられるようにはならないのではないでしょうか。

それにしても、長い歴史を通じて、日本列島の多くの山の幸を見出してきた日本人が、トリュフを見出さなかったというのはちょっと意外な気がします。

まあ、何をもって美味いと感じ、どんなものを食材として珍重するかは、それぞれの文化によって大きく異なることを考えれば、日本人がこれまで日本産のトリュフに見向きもしなかったからといって、別に不思議ではないのかもしれませんが……。

それに、そもそも珍味と呼ばれるような食材自体、その土地に生きる人々のディープでマニアックな嗜好を反映したものが多く、外部の者から見れば、ゲテモノ食いとしか思えないものもあります。

西洋のトリュフにしても、見つけにくいからこそ珍重されてきたという側面があるだろうし、美味いとか、香りがいいとか言うけれど、そもそもそうした判断をする基準はあくまでローカルな嗜好に基づいていて、その嗜好そのものは、決して世界共通のものとは言えないわけです。

日本人はマツタケには目がないし、中国の雲南省とか、北欧とかでも日本向けにマツタケが採取されていますが、現地では、カネになるという点を除けば、食材として珍重されているわけではなく、欧米ではむしろ「臭いキノコ」として嫌われていたりするそうです。
ウィキペディア 「マツタケ」

日本に自生しているトリュフも、もしかすると、かつて日本人の誰かが試しに食べてみたものの、あまり美味くないという理由でそのまま忘れ去られてしまっていたのかもしれません。

今回のニュースでは、別に、欧米人の珍重する種類のトリュフそのものが見つかったと言っているわけではないので、あまり先走った想像をしても仕方ないのですが、もしかすると今後、日本で、他にもいろいろな種類の珍味の発見があるのではと思うと、ちょっとワクワクします。

日本の山々には、こういう形で、人知れず眠っている珍しい食べ物が、まだまだたくさんあるのかもしれないし、あるいはその逆に、日本人の大好きな食べ物が、世界のどこかの山奥で大量に見つかったりするかもしれません。

それに、これは山だけでなくて海でもいいのですが、地球上のどこかに、人類には未知の、何かものすごく美味い食材が眠っているという可能性もゼロではありません。

地球上の地理的な空白地帯は、今やほとんどなくなったと言われていますが、私たちがすでに十分知っていると思い込んでいる土地についても、その全てを知り尽くしているわけではありません。足元の自然を注意深く観察すれば、今後も、思いがけない発見があるのではないでしょうか。

そんな珍味が、今後、地球上のどこかで発見されるかもしれないと想像するのは楽しいし、それを発見した地元の人が食べなくても、世界のどこかに、それをノドから手が出るほど欲しがる人が出てくるかもしれません。例えば、中国人が「ツバメの巣」に高い金を払って、世界中から買い集めるみたいに……。

世界中の人々が同じ食材を求めて競争することになれば、その価格はひたすら高騰していくだけですが、こうしたローカルでマニアックな嗜好に基づいた食材については、そうした問題はあまり起こらないような気がします。

こうした珍味を世界中の人々が互いにやりとりするために、世界をつなぐ輸送・通信のネットワークが生かされるなら、近頃あまり評判のよくないグローバリゼーションという現象も、世界各地の人々に、それなりのメリットをもたらすのではないかという気がします……。


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