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『辺境・近境』

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評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

最新作『1Q84』が空前のベストセラーとなっている村上春樹氏ですが、あまのじゃくな私としては、このタイミングでみんなと同じ本を読むのは気が進みません。

そこで、村上氏のちょっと昔の旅行記を読んでみました。

『辺境・近境』には、そのタイトルが示すように、遠く離れ、旅するのもしんどい異国の地(辺境)から、比較的身近な場所(近境)まで、スタイルも期間も内容もさまざまな旅の記録が収められています。

瀬戸内海の無人島でキャンプをした話とか、本場で讃岐うどんを食べまくる旅とか、アメリカ大陸を東から西へ一気に横断する二週間の旅とか、ユーモラスで気楽に読める内容のものもあれば、一方で、メキシコ南部への一か月の旅や、ノモンハンの戦場跡を訪ねる旅、そして震災から数年たった故郷・神戸を歩く小さな旅など、少しシリアスな紀行もあります。


同じ一人の旅人でありながら、その文章が硬軟とりまぜてバラエティー豊かなのは、そして、読みやすい文章の中にも旅の本質を突くピリッとした一文が忍ばせてあるのは、私があえて指摘するまでもないことですが、村上春樹氏の作家としての力と幅の広さを示すものなのでしょう。

本文中でも触れられていることですが、もはや地理的な意味で未知の土地がなくなった現代においては、そこへ行こうという意志とそれなりのカネさえあれば、誰でも地球のどこへでも行けてしまいます。

本当の意味での「辺境」が失われつつある今、旅行記を書くことの難しさを自覚しつつも、村上氏は「いくぶん非日常的な日常」を求めて各地への旅を続けながら、語るに足るものを、そしてそれをどのようなスタイルで多くの人に伝えていくかを模索しているように見えます。

まあ、作家のそんなシリアスな胸の内を想像しなくても、旅の記録をただ読んでいるだけで十分に楽しめますが……。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします



JUGEMテーマ:読書

 

at 18:54, 浪人, 本の旅〜世界各国

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