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『わけいっても、わけいっても、インド』

Kindle版はこちら

 

評価 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください

 

この本は、バックパッカー向けの旅行専門誌『旅行人』の主宰者で、作家・グラフィックデザイナーの蔵前仁一氏によるインド旅行記です。

蔵前氏はこれまでにも、『新ゴーゴー・インド』など、インドの旅を描いた楽しい著作があるのですが、今回の旅は、インドの先住民アディヴァシーの文化がテーマです。蔵前夫妻は、アディヴァシーの素朴で美しい絵画を求めて、観光客のほとんど訪れないインドの僻地へと分け入っていきます。

第1章は、ミティラー画を求めて、ビハール州のマドゥバニ周辺をめぐる旅(2004年)。
ウィキペディア 「ミティラー画」

第2章は、ラトワ族によるピトラ画(チョタ・ウダイプル周辺)を探し、ついでにグジャラート州の見どころをまわる旅(2007年)。

第3章は、ワルリー族の壁画ワルリー画(マハーラーシュトラ州タラサリ)や、ゴンド族のゴンド画(マディア・プラデシュ州など)、ラジワールというカーストの、日本の鏝絵に似たクレイ・ワークの美しい家(チャッティースガル州アンビカプル周辺)などを求めて、西のムンバイから東のプリーまで、インド亜大陸を横断する旅(2009年)。

インドの民俗画のほかにも、二人は各地の織物・刺繍・染物や、真鍮細工・陶芸などの工芸品、さらには古今の建築まで、幅広く目配りしながら旅をしています。非常に盛りだくさんでにぎやかなカラー写真から、そうしたインドの美の世界や、旅先の風景が生き生きと伝わってきます。

また、旅のエピソードとともに、鉄道・バスの便や所要時間、それぞれの街の雰囲気やホテルの質など、バックパッカーの視点に立った簡潔で的確な旅情報も示されているので、実際に旅をしようと思う人にも参考になると思います。

でも、読んでいていちばん面白いのは、やはり、旅先で出会う人々とのやりとりを描いた場面でしょう。この本にも、親切だけれど少々おせっかいで、お茶目なインド人が多数登場します。

さすがに蔵前氏はインドとのつき合いが長いだけあって、彼らへの応対は手慣れたもので、彼らを全面的に信用するわけではなく、かといって疑い深い目で見ているわけでもなく、相手との距離の取り方が絶妙です。そして、そこにはインドやインド人に対する温かいまなざしが感じられます。

また、この本には、自分なりのテーマを見つけ、オリジナルの旅を組み立てていく楽しさがあふれています。ガイドブックやインターネットでは情報が手に入らないような土地を、手探りで旅するのには不安もあるだろうし、さまざまな困難にも遭遇するはずですが、だからこそ筋書きの見えない面白さもあります。

実際、この本を読めば、現地の言葉を流暢に話せなくても、学者や専門家でなくても、個人として可能な限りの準備をし、旅人としての注意やマナーを守った上であれば、地球のどこでも自由に旅することができるのだということに、改めて気づかされるのではないでしょうか。

ただ、多くの人にとっては、インド先住民のアートというこの本のテーマは、かなり地味に感じられるかもしれません。そういう意味では、インドをすでに何度か旅した方や、インドについて、ある程度の予備知識をもった方にお勧めしたいと思います。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします



JUGEMテーマ:読書

at 19:01, 浪人, 本の旅〜インド・南アジア

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