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地中からの生還

今年の8月に起きたチリのコピアポ鉱山の落盤事故で、地下700メートルの地中に閉じ込められた33人を救出する作業が最終段階を迎え、10月13日の昼過ぎ(日本時間)に、特殊カプセル「フェニックス」で引き上げられた最初の一人が、ついに地上に生還しました。
ウィキペディア 「コピアポ鉱山落盤事故」

暗く細い穴の中から、小さくて、どこか弱々しくさえ見える鉄のカゴに入った人間が姿を現したとき、それはまるで、人間が卵の殻に包まれて、地中から生まれ出てきたようにも見えました。

そして、この日が来ることを信じて待ち続けてきた家族との抱擁。その瞬間、彼らとは縁もゆかりもなく、地球の反対側から映像で見守っているだけの私でさえ、もらい泣きしてしまいました。

圧倒的な自然の力を前に、人間にできることはごくわずかしかありませんが、それでもその限られた可能性に賭け、不屈の精神で困難を乗り越え、みんなで力を合わせて必死で生き抜こうとする私たち人間のけなげな姿が、そこに純粋な形で映し出されていたからでしょうか。

この世界には、目を背けたくなる出来事もあれば、さまざまな問題もあります。しかし、2カ月以上ものあいだ、暗くて狭くて蒸し暑い地中に閉じ込められていた33人にとって、地上とは、どんなことがあっても戻りたい、自由と希望の世界そのものに見えていたに違いありません。彼らのその切実な気持ちを、ほんの少しでも共有することができれば、私のような人間でさえ、心からこの世界を祝福することができるのかもしれません。

これを書いている今、すでに7人の作業員が無事救出されています。最後の一人が地上に姿を見せるまでは、まだ安心はできないのですが、誰もが願う全員生還というハッピーエンドが、少しずつ、現実のものになろうとしています。

救出作業が成功するよう、心から祈ります。


(追記 2010年10月14日)

14日の午前中(日本時間)に、33人全員の救出が完了し、レスキュー隊員も撤収して、奇跡の救出劇は無事に幕を閉じました。

映画ならここで感動のエンディングですが、実際には、33人の新たな人生はこれから始まります。

病院を出た彼らには、マスコミによる取材攻勢が待っているだろうし、自分たちの体験を多くの人に話したり、記録に残してまとめたりといった、面倒な仕事もしなければならないでしょう。また、損害賠償を請求する裁判にも時間をとられるかもしれません。

世界中の注目を集めたことで、家族はともかく、周囲の人々の対応が違ってきて、さまざまな違和感を覚えることもあるだろうし、救出の瞬間の感動が次第に薄れ、夢にまで見た地上の生活に対して、ふと、幻滅を覚えてしまう日がやってくるかもしれません。

そういう意味では、彼らの試練はまだまだ続きそうな気がしますが、タフな彼らならきっと、そうした問題を乗り越えていくと思います。

33人の無事を見届けた今、世界中の鉱山で危険な仕事についている多くの人々のことが頭に浮かびます。この瞬間にも、暗い坑道の中で汗を流している彼らに、せめてこの機会に、感謝と敬意を表したいと思います。


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