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『サバイバル時代の海外旅行術』

評価 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください

一時期、マスコミの芸能ネタで世間をにぎわせた映像作家・DJの高城剛氏が、旅行術の本を書いていたことを知って、興味が湧き、ちょっと読んでみました。

高城氏がこれまでどんな仕事をしてきて、今は何をしているのか、ウィキペディアなどを見てもいまひとつよく分からないのですが、この本自体は、具体的な旅のアイデアやヒントに満ちた面白いものでした。

彼によれば、世界はいま、格安航空会社(LCC)の台頭などによって、世界の流動人口が爆発的に増え、遊びや仕事の場所や機会が大きく変容を遂げる、「ハイパーモビリティ」と呼ばれる状況を迎えつつあり、海外旅行のあり方も、ここ数年のあいだに大きく変わりつつあるようです。

高城氏はこの本の中で、欧米を中心に広がる新しい旅行スタイルを紹介しながら、日本で出版されている、旧態依然で「使えない」旅行ガイドブックに頼らず、インターネットを中心に自ら欲しい情報を集め、自分なりの旅行ガイドを組み立てることを提案し、また、最先端の情報端末を旅先で役立てるためのノウハウや、便利な旅行グッズやパッキング術など、具体的なアイデアを披露しています。

バックパック一つで世界のどこにでも気軽に出かけていくフットワークの良さに加えて、ネットと情報端末を駆使して、自分のしたい旅をスマートに実現し、ときには人気のレストランで美食も楽しむなど、バックパッカーの自由さと、旅先でクオリティの高い体験を楽しむ優雅さがミックスした、いわゆる「フラッシュパッカー」の具体的な姿がここにあります。
ウィキペディア 「バックパッカー」の「フラッシュパッキング」の項

また、彼は、機内持ち込み手荷物の制限内に収まるモノだけを厳選してパッキングし、世界を自由に移動しながら、同時にその手荷物の制約の中で、移動先のどこでも仕事ができる環境を構築する「トラベルオフィス」を実現し、普通の人にとっては非日常である旅を、日常と融合させることにも成功しているようです。

高城氏は、IT革命とグローバル化が生み出した果実、特に、場所の制約から解放された軽快な暮らしを、人に先んじて十分に味わっているといえるかもしれません。

フラッシュパッカーが用いる情報端末や周辺機器の進化は日進月歩なので、2009年の夏に出たこの本の情報はもう古くなりかけているのでしょうが、細かな最新情報はともかく、持ち物やパッキングのアイデア、トラブルを最小化するための「ダブルバックアップ」の考え方や、スマートフォンによる海外でのネット接続法など、ベースとなる部分についてはそのまま有効で、興味のある方ならかなり参考になるでしょう。

ただ、自分で情報を集め、自由な発想で旅を組み立てていくのは素晴らしい体験になるはずですが、そこに至るまでには、ある程度の旅の経験や、知識の蓄積、最新の情報を伝え合う仲間同士のネットワークも必要になるでしょう。

この本を読んで、彼のパッキング術や持ち物リストなど、「形」をマネすることならすぐにできても、その先の、ガイドブックに頼らない旅、自分らしい旅を常に創造していくプロセスを本当に楽しむためには、たぶん彼自身がそうであったように、長年にわたる試行錯誤が必要だと思います。

あと、これは個人的な趣味の問題になりますが、この本で紹介されているような、フラッシュパッカー的でスマートな旅のスタイルについては、ユニークだし、これからの旅の主流になる可能性が高いとも思うのですが、今の私は、世界のどこで最先端のおいしいディナーが食べられるか、とか、情報端末のGPSで見知らぬ都市を効率よく探索、みたいなことにはあまり興味をひかれません。

むしろ、高城氏の実現している「トラベルオフィス」の考え方、旅と生活を融合させ、これまでのような定住型ではない、新しいライフスタイルを実践する試みの方に、より一層の興味を覚えます。

ところで、彼は、マスコミからはあまりいい扱いを受けていない印象があるのですが、そこには、移動型のライフスタイルを打ち立てた人間を、定住型の人間が見たときの思い込みとか理解不能なところが、多分に影響しているのではないかという気がします。

日本人の多くは、今でも地域のコミュニティや会社などの共同体に属し、同じところに何年、何十年も住んで、なじみ深い人々との濃密な人間関係を保って暮らしていると思いますが、そうした定住型の人間から見た場合、高城氏は、ふだんはどこにいるのか分からないのに、あるときふっと視界に入り、すぐにまたどこかへ消えていく、まるで彗星みたいな存在だろうし、世界各地を転々としつつ、あれこれと何かよく分からない仕事をして、なぜかそれなりに食っているという、かなり怪しげな人物として目に映るのかもしれません。

まあ、移動型の生活に憧れ、彼の実現した「トラベルオフィス」をうらやましく思う私でさえ、彼がいったい何をしている人なのか、いまだによく分からないわけですが……。

高城氏のようなタイプの人間は、現在も、そして近い将来も、やはり社会の中の圧倒的な少数派で、あのフーテンの寅さんがそうだったように、定住型の人間の世界にときどきふらりと現れては、そこに波乱を巻き起こし、彼らの生活を活性化するものの、その役目が終われば、すぐに放り出されてしまうような存在なのかもしれません……。


本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします



JUGEMテーマ:読書

at 18:48, 浪人, 本の旅〜世界各国

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携帯 メール 転送, 2011/08/10 11:09 PM

そうですね。
今、海外との接続って、簡単になりますね。
ネット、スマートフォンなど,いろいろですね。










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