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『新ゴーゴー・インド』

新ゴーゴー・インド
新ゴーゴー・インド
蔵前 仁一

評価 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります

この本は、現在バックパッカー向けの雑誌「旅行人」を主宰されている蔵前仁一氏の最初の著書で、氏の旅行記の独特のスタイルの原点ともなる作品です。この本はバックパッカーの間では結構有名で、私も旅先のどこかでパラパラと目を通したような気がしますが、今回は隅々まできちんと読んでみることにしました。

最初、忙しい仕事の合間をぬって10日間だけインドを旅した蔵前氏は、帰国後「インド病」にかかってしまったことに気づき、再び旅立たずにはいられなくなります。彼は仕事をたたみ、一年半にわたるインドへの長い旅に出るのですが、この本では、その長いインドでの旅暮らしのなかで出会ったインド人、変な旅行者たち、インドの様々な風物と旅のエピソードを、蔵前氏独特のほのぼのとしたイラストと写真、読みやすいコラム風の文章で紹介しています。

このスタイルは、蔵前氏のその後の作品でも続いていて、インドやその他のいわゆる「開発途上国」を旅する面白さを、理屈っぽさや悲壮感なしに、軽いタッチで描いています。

もちろん、これは一見軽く見えるということで、実はそこまでユーモラスに「インド体験」を語れるようになるまでに、旅人としていろいろと大変な時期があったことは、本文のあちこちから読み取れるし、イラストのホンワカとした雰囲気でうまく中和されているものの、実はインドの結構ヤバイ部分にも触れられていて、よく読めば、単なるお気楽な本ではないことがわかります。

約20年前の著作なので、ルピーの価値や現地事情の細かいところで、私が旅をした頃とは微妙に異なる部分もありましたが、「インド体験」の本質は、数年の時間でそう変化するものではないらしく、とにかく疲れてうんざりして、見たくもないものをやたらと見せつけられ、うまいものにもありつけないのに、なぜかビザの期限ギリギリまで滞在したくなってしまう、インドの妖しい魅力をうまく表現していると思います。読みながら、私自身のインドの思い出も鮮やかによみがえってきて、「そういえばこんな奴がいたな」とか、「同じような経験をしたな」と懐かしく思いました。

この本は、貧乏旅行者の視点から見えてくるインドの日常風景を具体的に描いているので、バックパッカーの旅を疑似体験できるのですが、もちろん本で読むのと現地に行くのとは大違いで、いくら蔵前氏の表現がうまいといっても、実際にインドを旅して味わうインパクトには及びません。そういう意味で、これらの本は「インド体験」への招待状であり、「インドへおいで、早くおいで」と、読者自らの旅立ちを妖しく促しているのです。

この本を読んで、自分でも旅ができそうだ、旅してみたいと思われた方には、細心の注意をはらった上で、あくまで自己責任で、インドに旅立たれることをお勧めします。ただし、一度「インド病」にかかってしまったら、日本では治療できませんが……。


記事 「インド病」



本の評価基準

 以下の基準を目安に、私の主観で判断しています。

 ★★★★★ 座右の書として、何度も読み返したい本です
 ★★★★☆ 一度は読んでおきたい、素晴らしい本です
 ★★★☆☆ 読むだけの価値はあります
 ★★☆☆☆ よかったら暇な時に読んでみてください
 ★☆☆☆☆ 人によっては得るところがあるかも?
 ☆☆☆☆☆ ここでは紹介しないことにします

at 19:58, 浪人, 本の旅〜インド・南アジア

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