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「ローコスト」の代償

最近、LCC(格安航空会社)についての面白い記事を読みました。

一つは、旅行作家の下川裕治氏が、エアアジア・ジャパンの成田―那覇便を利用した感想です。
 
たそがれ色のオデッセイ 【日本式サービスとLCCは闘っている?】

成田空港のエアアジアの待合室が、ターミナルビル外のテントで、仮設トイレしかない吹きさらしであるのを見た下川氏は、東南アジアではそういう例が珍しくないとはいえ、日本でも同じやり方を貫くエアアジアの姿勢に驚きます。

そして、機内には空席が目立っていたことに触れ、そうしたコストカットのポリシーを徹底するLCCが、日本では思ったほどの客を集められず、また、乗客からの苦情の対応に追われていると指摘、LCCは、これまでに日本人が慣れてしまった「日本式サービス」と闘っている気がすると書いています。

もう一つ、格安航空を利用してトラブルに遭ったという記事もありました。

おとなの週末(現代ビジネス) 【LCCを使うなら覚悟が必要!? カウンターで「なぜだ!」と叫ぶ 出発から大波乱が始まった!】

具体的には、

.献Д奪肇好拭次Ε献礇僖鵑寮田―新千歳便で、フライト時間が事前に変更されていたが、その連絡メールを見落としたためにチェックイン時間に間に合わず、予約はキャンセルされ、払い戻しも受けられなかった

▲┘▲▲献◆Ε献礇僖鵑寮田―那覇便で、他の航空会社の同じ路線は遅延しただけなのに、エアアジアは待たされたあげく欠航になってしまった

など、編集者自身の体験が語られています。

ただ、個人的には、,離院璽垢砲弔い討蓮▲侫薀ぅ隼間をきちんと確認するか、余裕をもって空港に到着していれば、その後のすべてのトラブルは防げたと思うし、いざというときにLCC側が特別扱いをしてくれると期待するのもちょっと甘いのではないかという気がします。

もっとも、そんな偉そうなことを言えるのは、たんに私が当事者ではないからで、もし自分が同じ状況に置かれたら、やはりカウンターで、「なぜだ!」と叫びたくなってしまうかもしれませんが……。

それはともかく、こうした記事を読むと、当たり前のことではありますが、「安さ」にはそれ相応の理由があり、LCCのメリットとデメリットは、コインの裏表みたいなものだということが分かります。

LCCの低価格は非常に魅力的ですが、一方で、空港の施設がやたらと簡素で不便だったり、座席の間隔が狭かったりするので、ゆったりと快適な空の旅を楽しむという気分にはなれないかもしれません。

また、手荷物の預け入れや機内食などのサービスがオプション扱いで、利用するごとに追加料金がかかることもあるし、予約やチェックインに関しても、いろいろと窮屈な制約があったりします。

それらのデメリットは、乗客にとってたしかにストレスでしょうが、まあ、そういうものだと割り切れば、ガマンできないほどではないのかもしれません。

しかし、遅延や欠航という事態になってくると、話は別です。

理由や状況によって多少の違いはあるでしょうが、基本的にLCC側からの手厚い対応は期待できないし、そうしたアクシデントに対して、客の側がとれる選択肢も限られてきます。

そんなとき乗客は、「ローコスト」の代償を、身をもって思い知らされるのです。

ただ、私たちがLCCを利用して感じるストレスは、そのすべてがLCCのせいであるというよりは、空の旅に対する私たちの期待水準が、いつの間にか高くなりすぎたという要因もあるかもしれません。

本来、人間が長い距離を移動しようとすれば、肉体的・精神的なストレスにさらされるのは当然のことだし、ある程度の割合で、何らかのトラブルに巻き込まれることも覚悟しなければならないはずです。

しかし、ふだん私たちが、空の旅に対してあまり身構えずに済んでいるのは、これまでの日本の航空会社をはじめ、飛行機の運航に関わる膨大な人々の日々の努力や責任感ある仕事、最新の機体や設備のおかげで、乗客のストレスがかなり軽減されているからなのでしょう。

もちろん、それは多大なコストと引き換えに実現されたものです。

そしてこれまでは、そうした「日本式サービス」の高い水準を必ずしも求めていない人々も、他に選択の余地がないために、そのコストを同じように負担してきました。

バックパック一つでどこでも行けるような旅人なら、空港に豪華な待合室なんていらないし、何十キロもの無料手荷物枠もいらないし、機内食がなくても自分で適当なものを用意できるし、予約やチェックインだって、全部ネット上でやってしまえるでしょう。

また、そういう人なら、格安なサービスにはそれ相応のデメリットがあることも承知しているだろうし、万が一のトラブルに対しても、ある程度自力で対処したり、あらかじめその可能性を織り込んだ旅の計画を立てることもできるでしょう。

自分には不要なサービスの分も料金に上乗せされるのはどうかと思うような旅慣れた人は、LCCの料金システムに魅力を感じるのではないでしょうか。

ほかにも、飛行機に乗り慣れているわけではないけれど、値段は安ければ安いほどいい、とにかくカネを使いたくないので、何かトラブルがあってもガマンする覚悟でLCCを使う、という人もいるはずです。

今後は、快適な旅を求める人や、旅のスケジュールに余裕のない人は、それなりのカネを出して従来型の航空会社を利用し、一方で、格安であることのリスクや面倒を引き受けられる人や、安さを最優先したい人は、多少の(ときには多大な)ストレスを覚悟してLCCを利用するといったように、利用者の置かれた状況に合った、最適な選択肢を選べるようになっていくのでしょう。

今はまだ、LCCのことを、激安価格で「日本式サービス」を提供する会社だと誤解している人もいるかもしれません。

しかし、これから徐々にLCCの利用経験者が増え、ときにはトラブルも体験することで、値段相応のサービスとはどういうことか、しだいに認識されるようになるのではないでしょうか。

いま、多くの日本人は、何かモノを手に入れようとするときには、デパートやスーパー、コンビニや個人商店、ネット通販やオークションなど、多様な選択肢をうまく使い分けています。

旅行についても、やがて、目的や予算、状況などに応じて、さまざまな選択肢の中から、自分にとって適切な移動手段を選ぶスキルを身につけるようになるだろうと思います。

そして、それはまた、飛行機に乗ったり、海外に行ったりすることが、もはや特別な行為では全くなくなり、鉄道やバスを使うのと同じような当たり前のこととして、日常生活の中に溶け込んでいくということでもあるのでしょう。


JUGEMテーマ:旅行

at 18:39, 浪人, 地上の旅〜旅全般

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go-ichi, 2012/10/24 11:24 PM

9月頭にエアアジアでインドネシアのジャカルタとジョグジャカルタを往復してきました。エアアジアが使用するジャカルタの第3ターミナルは小さいながらモダンでおしゃれで快適なターミナルでした。たったい1時間、なんの問題もなく快適なフライトでした。ジャカルタで乗ったのは午後1時過ぎの便でしたがどんなものが出てくるのか見たかったので、私は昼食を予約していました。私が包装をといているあいだに、機内販売のワゴンは前に戻ってきていました。後ろを見ると機内食を食べている人などほとんどいません。これも飛行機に乗れば機内食を食べるものだという日本式との違いでしょう。

浪人, 2012/10/25 6:52 PM

go-ichiさん、コメントをありがとうございました。

日本人は、これまでの経験を通じて、空の旅とはこういうものだ、というイメージがすでに出来上がっているので、LCCのサービスに違和感を覚えることも多いのでしょうが、東南アジアの多くの人々にとっては、過去の経験が少ない分、従来型のサービスも、LCCのサービスも、旅人のニーズに合わせて選べる選択肢として、先入観なく受け入れられるのかもしれないですね。










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