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<< 旅人たちの夢のあと | main | 日常の非日常化と非日常の日常化 >>

「裸のおじさん」の危機

先日、気になる記事を目にしました。

沖縄の無人島(外離島)で一人暮らしをしていた「裸のおじさん」が、島を追放されてしまったというのです。

めちゃイケ出演がアダ 無人島の全裸おじさん追放  東スポWeb

おじさん、というより、おじいさんのことは、数年前にテレビで見て初めて知りました。無人島で一人暮らしといっても、実際には近くの町に買い出しに行ったりしていたのですが、それでも自給自足に近い生活を何十年も続けるのは並大抵のことではないし、あえてそういう生き方を選び、実行してしまう意志力がすごいと思いました。

無人島で孤独に暮らす全裸の男 - In Subtropical Solitude  VICE Japan


その後、彼に関する記事をネットで何度か見かけ、彼も有名人になりつつあるのかな、なんて思っていたのですが、冒頭の記事によれば、昨年、人気テレビ番組で取り上げられてから、彼を目当てに現地を訪れる観光客が急増したようで、それを見かねた土地の所有者から退去を求められ、次に移り住んだ西表島の無人の浜からも、国有地ということで立ち退きを迫られているのだそうです。

20年以上にもわたって、確固とした生活を築き上げてきた本人にとってみれば、これは大変な事態だと思います。

今回の「追放」について、何とも言えない気持ちになるのは、無人島に押し寄せた観光客にしても、彼に退去を求めた関係者にしても、たぶん彼に対する悪意があるわけではなく、ただ単に、自分の好奇心やワクワク感に従っただけだったり、あるいは自分の置かれた立場に従って、言わざるを得ないことを言っただけだったりするのだろう、ということです。

みんな、おじさんを追い詰めるつもりはなかったけれど、多くの人のさまざまな行為が積み重なった結果、誰も望まない方向に状況が動き、おじさんは今までのようには暮らせなくなり、大事な居場所を失ってしまったということなのでしょう。

すでに起きてしまったことについて、関係者でもない私が、今さら何を言っても仕方ないのですが、ただ、こうなるのを防ぐ方法は、いくつもあっただろうにと思います。

まず何より、もしもおじさんが、ふだんから海パン一枚でもはいていれば、せめて、誰かが島にやって来たときだけでもそうしていれば、これほど人々の注目を集めることはなく、彼の暮らしが乱されることもなかったでしょう。

あるいは、メディアの取材、少なくともテレビの取材だけでも断っていれば、もっと穏やかな展開になっていたはずです。

おじさんのように、一日中素っ裸で暮らすというのは、今の日本では基本的に許されませんが、無人島で勝手にやっている限りは誰にも迷惑をかけないし、実際、誰の迷惑にもならなかったからこそ、彼は何十年もそれを続けてこられたといえます。

ただ、そうやって誰の制約も受けない暮らしを通じて突き詰められたライフスタイルが、多くの人にとってはあまりにもユニークなものになってしまったことで、結果的にそれは、大いに人目をひくネタとして、マスメディアの格好のターゲットになってしまいました。

しかも、彼はその生き方を隠そうとしなかったし、来る人を拒もうともしませんでした。

彼のライフスタイルが人々の話題になればなるほど、ネットの「炎上」と同様、彼の生き方を批判したり、干渉したりする人が増えていくのは必然だし、いったんそうなってしまえば、それまで彼の存在を黙認してきた地元の関係者も、自分に火の粉がふりかからないよう、タテマエを持ち出して対応せざるを得なくなっていきます。

そう考えると、私がこうやって記事を書くことも、騒動を大きくすることに加担しているだけなのかもしれません。

これから、おじさんがどうなってしまうのか、私には全く分かりませんが、彼のように、この社会から距離を置いて、独自の生き方を貫き通したいと願う人がいるなら、今回の事例を苦い教訓として、世間から余計な注目を集めて生活を翻弄されないよう、できる限りひっそりと隠れ住むしかないのかもしれません……。

ただ、一方で、もしかすると、彼にとっても、これが「潮時」だったのかもしれない、という気もしなくはありません。

おじさんは、何十年も一人暮らしを続けてきて、口ではともかく、内心では寂しさを感じることも多かったのではないでしょうか。だからこそ、観光客の来訪やメディアの取材を、それなりに受け入れてしまったのではないかという気がします。

もう、おじさんが素っ裸で暮らせる場所はないかもしれないけれど、とりあえず服さえ着ていれば、彼は波乱万丈の人生をくぐり抜けてきた「名物おじいさん」として社会に受け入れられ、培ってきたサバイバル能力を生かして、どこかで十分幸せな余生を送れるのではないでしょうか。


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