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宇宙で建国!?

先日、ネット上に面白いニュースが流れ、世界中の好事家の間でさまざまな反応が巻き起こっているようです。

 

宇宙国家「アスガルディア」構想が始動:軌道上から地球を防衛、国民も募集中 ニューズウィーク日本版

 

上の記事によれば、ロシアや米国の宇宙開発の専門家たちが、衛星軌道上に独立国家「アスガルディア」を建設する壮大な構想を発表、国連への加盟をめざして、さっそく「国民」も募集しており、すでに多数の人が応募しているようです。

 

まずは来年以降に人工衛星を打ち上げ、将来的には宇宙空間を拠点に、小惑星の資源開発や、さまざまな危険から地球を守る活動を行うとのことですが、素人目に見てもツッコミどころがいろいろあって、本気で受け止めていい話なのか、判断に迷うところです。

 

例えば、宇宙空間に独立国を作るというのは、そもそも、天体を含む宇宙空間の領有を禁じた宇宙条約の第2条に完全に抵触しそうだし、宇宙での資源開発や地球防衛というのも、SF映画の設定ならともかく、近い将来の地球人に、そうした分野への切実なニーズがあるとはとても思えず、そうであれば、アスガルディアの基幹産業はいつまでたっても立ち上がらないということになります。
ウィキペディア 「宇宙条約」

 

それに、アスガルディアが一般的な国家の要件を満たせるのかという問題もあります。国家の三要素とされている、領域・人民・権力のうち、現時点では「領域」が存在していないし、ある程度の「人民」が暮らせる大きさの宇宙ステーションをこれから作るにしても、長い時間と途方もない費用がかかります。さらに、その費用を誰が負担するのかという問題もあります。
ウィキペディア 「国家」

 

まさか、今回ネット上で募集した「国民」に、そのための税金が課せられるなんてことにはならないと思いますが、ちょっと皮肉な言い方をすれば、そういう話が出たとたんに逃げ出すような人々なら、国家を支える「人民」とは言えないのだろうし、彼らに税金を払わせることができないのなら、「権力」も存在していない、ということになります。

 

また、かりにアスガルディアが国家としての体裁をなんとか整えることができたとしても、宇宙空間に住む人々のグループを、国連の一加盟国みたいな形で扱うのが適切なのかという問題もあるでしょう。彼らが暮らす環境は地球上とは全く違うわけだし、彼らが携わる事業も、地球環境や、地上で暮らす人々に大きなリスクを与えうるものです。そういう、ちょっと特別な存在を、地上の国々とまったく同列のものとみなしていいのでしょうか。

 

こういったことを考えていくと、あくまで素人の個人的な感覚にすぎないのですが、宇宙国家の立ち上げというのは、いろいろな意味で、まだ時期尚早という感じがします。

 

宇宙を人類の新しいフロンティアとみなして、そこに新しい発想や組織で乗り出していきたいという関係者の気持ちも想像できなくはないのですが、先走って独立を云々するよりも、まずは人類の共同作業として宇宙空間での活動実績を積み上げていくのが先だと思うし、現時点で国旗とか国歌を決めたところで、当面、国家としての承認が得られる見込みがない以上、それは個人が勝手に独立を宣言して、独自の切手やらコインやらを土産物として売っている、いわゆるミクロネーションと変わらないことになってしまいます。
ウィキペディア 「ミクロネーション」

 

でもまあ、こういう素朴な疑問については、発起人である専門家の方々も当然想定しているはずで、彼らとしては、どれだけ空想めいた話に聞こえようとも、今、宇宙国家の構想を語り、世界の注目を集めることに、それなりの意義があると考えているのでしょう。それに、今の世の中の変化の速さを考えれば、数年後、数十年後には、こうした構想がごく当たり前に受け取られるような世界になっているかもしれません。

 

……と、あれこれ考えているうちに、アスガルディアみたいに、ストレートに宇宙国家建設の夢を語る人々よりも、google とか facebook のような新興巨大IT企業の方が、条件的には、よほど宇宙国家の実現に近いところにいるのではないかという気がしてきました。

 

そうしたIT企業も、もちろん、現時点では国家の三要素を満たしているわけではありませんが、彼らは生活に密着した便利なサービスを提供することによって、億単位のユーザー(人民)の心をがっちりとつかんでいるし、「利用規約」を独断で決定し、それに従わないユーザーを締め出すことのできる力(権力)ももっています。

 

そして、さまざまなサービスによる売り上げや、企業の将来性と引き換えに集めた巨額の資金を、新たな分野への投資や研究開発に充てることができています。彼らの多くは、今のところ、宇宙開発にのめり込んだりするようなことはありませんが、ビジネスとして有望であると判断すれば、可能なところから着実に手をのばしていくだろうし、その結果として、将来的に、いくつかのIT企業が宇宙開発の分野に大きな影響力をもつようになる可能性もあるのではないでしょうか。

 

ただ、それは宇宙への夢やロマンを感じさせるものというよりは、冷徹なソロバン勘定に基づいて、さまざまな企業が主導権を争い合う、殺伐としたものになりそうな気がします。とはいえ、人類のこれまでの歴史と同様、そうしたドロドロした欲望こそが、時代を先へ先へと動かしていくのかもしれません。

 

もっとも、そうした企業は、さらなる利益の追求を可能にする自由なフロンティアとして宇宙を目指すことはあっても、そこにわざわざ国家を建設し、多数の国民を食わせていく義務や不自由を抱え込もうなどとは考えないだろうという気はしますが……。

 

 

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