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ネットは体を酷使する?

ふだんネットの世界に入り浸っている人間は、頭ばかりで、体をぜんぜん使っていないイメージがありますが、最近、それは逆で、むしろ普通の人より体を酷使していると思うようになりました。

私の場合、ディスプレイの見過ぎで目がボロボロだし、ずっと同じ姿勢で座っているので腰や背中が痛みます。それと、クリックのしすぎなのか、まだ軽度ですが、指や腕にも慢性的な違和感を覚えるようになりました。

もちろん、以前から、仕事で端末を一日中使うような人がさまざまな症状に悩まされていることは知っていましたが、若い頃には多少の無理はきいたし、今ほどネット浸けではなかったこともあって、そういう話はあくまで他人事として聞き流していました。

しかし、さすがに歳をとると、体が早々と悲鳴を上げるようになります。今さら気づいたのか、という感じではありますが、端末を使うというのは、人間の身体にとって、かなり不自然な姿勢と動作を要求する行為で、長時間それを続けるのは無理だということが、身にしみて分かったのでした。

端末の使用が体にかなりの負担をかけるのは、その一部を酷使するだけでなく、同時に、他の部分をほとんど動かさず、同じ姿勢で固まっていることも原因だと思います。目や指先が忙しく動き回っているあいだ、それ以外の部分は休んで楽をしているわけではなく、作業の邪魔にならないよう、じっとしたまま、同じ姿勢をひたすら維持することを強いられているのです。

ひと昔前までの私たちは、情報収集といえば、図書館や本屋などに実際に足を運んだり、直接人に会って話を聞くなど、その過程に膨大な時間と手間とカネをかけ、体も使っていました。

そこには、ずいぶんとムダな作業も多かったでしょうが、それが結果的には、体の全体をまんべんなく動かすことにもつながっていたわけで、今のように、目と指先ばかりを動かし、同じ姿勢のまま情報を浴び続ける生活よりは、ずっと健康的だったのかもしれません。

もちろん、インターネットのおかげで、昔よりもはるかに効率的に情報を集められるようになったのは、とても素晴らしいことだと思います。そしてだからこそ、座ったままで世界中の情報が次々に手に入る快感に、私を含めて多くの人が溺れてしまうのでしょう。

しかしその反面、情報を求めてリアル世界を動き回ることで図らずも実現していた、想定外の体験とか、バラエティ豊かな体の動き、つまりはムダの効用みたいなものが、効率化によって失われつつある、ということなのだと思います。

そして、情報端末にかじりつき、体の一部だけを反復して使い続けるような生活は、身体全体のバランスを損ね、ひいては、その人の意識状態や、心身の健康にも歪みをもたらしかねないと思うし、そのことが、ネット世界は不健全だと言われるような状況の一部を生み出しているような気もします。

だとすると、私たちは、効率化によっておおいに節約した時間の、せめて一部だけでも使って、意識的に、失われた身体のバランスを回復するよう努める必要があるのかもしれません。

今のような、目や指先ばかりに負担をかける端末のインターフェイスに代わって、近い将来、例えば、ネットと脳をダイレクトにつなぐような新たなしくみが生み出されれば、肉体にかかる負荷は全体的に軽減されるかもしれませんが、それがむしろ、身体の一部である脳を、これまで以上に酷使することになり、そうした偏りが利用者のアンバランスな精神状態を生み、それがネット世界の偏りとして、もっと先鋭化した形であらわれてくる可能性もあります。

でもまあ、そんな未来の心配をしても仕方がないし、この世界で生きている限り、肉体に全くストレスをかけない情報処理の方法などないのだと思います。いずれにしても、今よりもましなインターフェイスが開発され、普及するまでは、今の方式の端末を使い続けるしかありません。

個人的には、ネットにつながる時間はほどほどに、体全体を動かす時間も意識的に作ることで、できるだけ心身のバランスと健康を保てるよう、せめて注意を怠らないようにしたいと思います。


JUGEMテーマ:インターネット

at 18:58, 浪人, ネットの旅

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