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2014.12.18 Thursday
異物混入
先日、ある有名なカップ焼きそばにゴキブリが混入している写真がネット上を駆けめぐり、メーカーが商品の販売中止と回収、工場の操業停止に追い込まれました。
回収騒ぎは他社にも飛び火しているようで、食品業界の関係者は、しばらくのあいだ、いろいろと神経をすり減らす日が続くのではないでしょうか。
一連のニュースをきっかけに、もうずっと昔、ラオスのヴァンヴィエン(バンビエン)に滞在していたときの、ささやかな出来事を思い出しました。
ヴァンヴィエンは首都のヴィエンチャンからバスで数時間のところにある、山間の小さな町です。周辺では洞窟めぐりや川下りなど、それなりのアトラクションを楽しめますが、どちらかというと、何もない田舎でボケーッとしたい人向けの場所で、バックパッカーの間では「沈没地」としても有名です。
ウィキペディア 「ヴァンヴィエン」
ある日の昼下がり、宿の近くをぶらぶら歩いていて、地味な食堂に目が止まりました。
いまとなっては記憶も曖昧なのですが、それは掘っ立て小屋のような、粗末なつくりのみやげ物屋の片隅にテーブルを置いた、いちおう食事も出せます、みたいな感じの店だったと思います。
そのときは店番の若い女性が一人いただけで、ほかに客の姿もありませんでしたが、ふと、そこで昼メシを食べようという気になって、店に入りました。いつもはその近くにある、ツーリスト向けの食堂ばかりに通っていたので、たまには別の店を試してみようと思ったのです。
とりあえず、その店にも英語のメニューくらいはあったのでしょう。私は、その中から、野菜入りのヌードル・スープを注文しました。
値段は、外国人相手の食堂よりも、かなり安かったような記憶がありますが、料理自体はとりたてて特徴もない、ごく普通の味でした。
食べ始めてしばらくして、スープの中に、数センチの茶色い破片が浮かんでいるのに気がつきました。
よく見ると、昆虫の羽根です。バッタかコオロギでしょうか。
でもまあ、そこはちゃんとした壁もないような店だったし、風に吹かれてゴミが飛んできたのかな、まあ、こういうこともあるだろう、と思って、箸でつまみ、土間になっていた床に捨てたのですが、再び食べ始めると、さらに同じような破片がいくつも浮き上がってきます。
ゲッ、と思いました。羽根一枚ならともかく、何枚ともなると、気持ち悪さが半端ではありません。
それにこれは、バッタやコオロギではなくて、「あの虫」の羽根では……。
ただ、スープの中に「本体」は見つかりませんでした。知らないうちに食べてしまった可能性もゼロではないけれど、それらしい歯ごたえや違和感は感じなかったので、たぶん、野菜か何かに紛れ込んでいた虫が、調理の過程でバラバラになって、その一部がスープに入ってしまったのでしょう。
昆虫に詳しくない私には、その虫の正体は分かりません。しかし、分からないだけに、かえって、余計な想像がどんどんふくらんでいきます。
すでに、食欲はすっかり消えていましたが、かといって、店のお姉さんを呼びつけて、クレームをつけるのもためらわれました。
お互いの語学力の問題で、話がうまく通じないだろうと思ったのもありますが、かりに文句を言ったところで、変なスープを飲んでしまった事実がなくなるわけではありません。
それに何より、ここはラオスの田舎です。この程度のことは、文字どおりの「日常茶飯事」ではないでしょうか。店員さんからすれば、何か面倒な客が、虫一匹のことで大げさに騒いでる、くらいにしか思わないかもしれません。
もしそうなら、ことを荒立てても、きっと何の解決にもならないし、むしろ、独り相撲みたいになって、いっそう惨めになるだけなのでは……。
そんなことをあれこれ考えるうちに、すべてがどうでもよくなってきました。
そして逆に、食べかけの料理を残すのも何だかもったいない気がしてきて、虫の破片を全部つまみ出すと、残りを完食し、何事もなかったように店を出ました。
さいわい、その後、「健康被害」はありませんでした。まあ、さすがにその店に再び足を運ぶことはありませんでしたが……。
アジアの田舎の食堂みたいに、衛生面でいろいろ問題がある状況だと、利用者は、常に注意深くなければならないし、何かトラブルがあっても、結局は、自分の判断が甘かったとか、運が悪かったとあきらめるしかありません。そういう環境で暮らしていくのは、誰にとってもけっこうハードだと思うし、私も旅から帰るたびに、日本の清潔さに感動します。
かといって、今回の焼きそばの混入事件みたいに、ゴキブリ一匹で日本中が大騒ぎし、メーカーの存亡に関わるほどの一大事になってしまうのも、それはそれで、ちょっと行き過ぎではないかという気がします。
安心・安全の追求は大事なことではありますが、絶対的な安心を求めても際限がないし、それは当然、手間やコストの増加にもつながります。それに、ミスやトラブルが全く許されない状況は、関係者に異常なまでの緊張を強いることになるでしょう。
今後もきっと、食品に異物が混入している写真などが、ネットにたくさん出回ることになると思いますが、そういうミスをゼロにはできない以上、それが健康に直接被害をもたらすほど深刻なものでないなら、私たちにも、それを冷静にスルーする大らかさが必要になってくるのかもしれません。
回収騒ぎは他社にも飛び火しているようで、食品業界の関係者は、しばらくのあいだ、いろいろと神経をすり減らす日が続くのではないでしょうか。
一連のニュースをきっかけに、もうずっと昔、ラオスのヴァンヴィエン(バンビエン)に滞在していたときの、ささやかな出来事を思い出しました。
ヴァンヴィエンは首都のヴィエンチャンからバスで数時間のところにある、山間の小さな町です。周辺では洞窟めぐりや川下りなど、それなりのアトラクションを楽しめますが、どちらかというと、何もない田舎でボケーッとしたい人向けの場所で、バックパッカーの間では「沈没地」としても有名です。
ウィキペディア 「ヴァンヴィエン」
ある日の昼下がり、宿の近くをぶらぶら歩いていて、地味な食堂に目が止まりました。
いまとなっては記憶も曖昧なのですが、それは掘っ立て小屋のような、粗末なつくりのみやげ物屋の片隅にテーブルを置いた、いちおう食事も出せます、みたいな感じの店だったと思います。
そのときは店番の若い女性が一人いただけで、ほかに客の姿もありませんでしたが、ふと、そこで昼メシを食べようという気になって、店に入りました。いつもはその近くにある、ツーリスト向けの食堂ばかりに通っていたので、たまには別の店を試してみようと思ったのです。
とりあえず、その店にも英語のメニューくらいはあったのでしょう。私は、その中から、野菜入りのヌードル・スープを注文しました。
値段は、外国人相手の食堂よりも、かなり安かったような記憶がありますが、料理自体はとりたてて特徴もない、ごく普通の味でした。
食べ始めてしばらくして、スープの中に、数センチの茶色い破片が浮かんでいるのに気がつきました。
よく見ると、昆虫の羽根です。バッタかコオロギでしょうか。
でもまあ、そこはちゃんとした壁もないような店だったし、風に吹かれてゴミが飛んできたのかな、まあ、こういうこともあるだろう、と思って、箸でつまみ、土間になっていた床に捨てたのですが、再び食べ始めると、さらに同じような破片がいくつも浮き上がってきます。
ゲッ、と思いました。羽根一枚ならともかく、何枚ともなると、気持ち悪さが半端ではありません。
それにこれは、バッタやコオロギではなくて、「あの虫」の羽根では……。
ただ、スープの中に「本体」は見つかりませんでした。知らないうちに食べてしまった可能性もゼロではないけれど、それらしい歯ごたえや違和感は感じなかったので、たぶん、野菜か何かに紛れ込んでいた虫が、調理の過程でバラバラになって、その一部がスープに入ってしまったのでしょう。
昆虫に詳しくない私には、その虫の正体は分かりません。しかし、分からないだけに、かえって、余計な想像がどんどんふくらんでいきます。
すでに、食欲はすっかり消えていましたが、かといって、店のお姉さんを呼びつけて、クレームをつけるのもためらわれました。
お互いの語学力の問題で、話がうまく通じないだろうと思ったのもありますが、かりに文句を言ったところで、変なスープを飲んでしまった事実がなくなるわけではありません。
それに何より、ここはラオスの田舎です。この程度のことは、文字どおりの「日常茶飯事」ではないでしょうか。店員さんからすれば、何か面倒な客が、虫一匹のことで大げさに騒いでる、くらいにしか思わないかもしれません。
もしそうなら、ことを荒立てても、きっと何の解決にもならないし、むしろ、独り相撲みたいになって、いっそう惨めになるだけなのでは……。
そんなことをあれこれ考えるうちに、すべてがどうでもよくなってきました。
そして逆に、食べかけの料理を残すのも何だかもったいない気がしてきて、虫の破片を全部つまみ出すと、残りを完食し、何事もなかったように店を出ました。
さいわい、その後、「健康被害」はありませんでした。まあ、さすがにその店に再び足を運ぶことはありませんでしたが……。
アジアの田舎の食堂みたいに、衛生面でいろいろ問題がある状況だと、利用者は、常に注意深くなければならないし、何かトラブルがあっても、結局は、自分の判断が甘かったとか、運が悪かったとあきらめるしかありません。そういう環境で暮らしていくのは、誰にとってもけっこうハードだと思うし、私も旅から帰るたびに、日本の清潔さに感動します。
かといって、今回の焼きそばの混入事件みたいに、ゴキブリ一匹で日本中が大騒ぎし、メーカーの存亡に関わるほどの一大事になってしまうのも、それはそれで、ちょっと行き過ぎではないかという気がします。
安心・安全の追求は大事なことではありますが、絶対的な安心を求めても際限がないし、それは当然、手間やコストの増加にもつながります。それに、ミスやトラブルが全く許されない状況は、関係者に異常なまでの緊張を強いることになるでしょう。
今後もきっと、食品に異物が混入している写真などが、ネットにたくさん出回ることになると思いますが、そういうミスをゼロにはできない以上、それが健康に直接被害をもたらすほど深刻なものでないなら、私たちにも、それを冷静にスルーする大らかさが必要になってくるのかもしれません。
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