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もしも今、自分が旅に出ていたら

昨年末に中国で見つかった新型コロナウイルスが世界各国に広がり、先日、ついにWHOがパンデミックを宣言しました。

 

日本でも、全国レベルの学校閉鎖や大規模イベントの自粛など、次々に対応策が打ち出され、中国や韓国からの入国にも大きな制限がかけられました。

 

しかし、そうした制限が、海外からの観光客の減少に拍車をかけることになり、旅行業界は、今、「激震」どころでは済まない状況になっています。

 

一方で、日本から海外への旅行についても、かなりの国々が日本人の入国を拒否したり、入国後の行動を制限したりしており、さまざまな国を自由に行き来することが難しくなっていますが、旅をすること自体は、まだ不可能にはなっていません。

 

最近では、オーストラリアなど、自国民に海外渡航を禁止する国も出てきているようだし、日本政府が近い将来、そうした措置に踏み切る可能性もないとは言えませんが、さすがに、すでに国外に出てしまった旅行者が、帰国を強制されることまではないだろうと思います。

 

とはいえ、海外旅行を間近に控えていて、まだ出発を断念はしていないという人や、すでに旅を始めて、どこかの国に滞在中の人にとっては、ここ数日、各国が国境を閉じる動きを加速している状況を見て、日に日に外堀が埋められ、追い詰められていくような気分になっているのではないでしょうか。

 

まあ、グループツアーの場合だと、悩むまでもなく、すでにツアーが延期または中止になっているケースが多いだろうし、もしもツアー中で、現地の状況が悪化していても、添乗員や現地スタッフができる限りのサポートをしてくれるだろうから、何とか無事に旅を終えられると思います。

 

しかし、個人旅行の場合は、基本的に、何もかも自分で決断し、対処しなければなりません。

 

用意していたビザが、ある日突然無効になったり、入国拒否や長期間の隔離をされたり、フライトが一気に減らされて、変なところで身動きがとれなくなるかもしれません。また、目的の国に何とか入国できても、現地では外出禁止令が出されていたり、観光施設や食堂、商店などが軒並み休業していて、観光どころか、まともな食事さえままならなくなってしまうかもしれません。地元の人々のストレスのはけ口として、差別の標的にされる可能性だってあります。

 

それに、万が一、自分がウイルスに感染し、重症化してしまった場合に、外国人はどこに相談すればいいのか、そもそも現地の病院に受け入れる余裕があるのか、治療や入院の費用をどうするのかなど、薄れる意識の中で、いくつもの難しい問題に迫られることにもなりかねません。

 

そうしたことを考えると、現在、こういう状況で、バックパッカーたちが、旅に出るか、あるいは旅を続けるかについて、それぞれどういう判断をしているのか、他人事ながら、かなり気になります。

 

もちろん、その答えは人それぞれなのでしょうが、もしも今、自分が長い旅をしていたなら、何とか旅を続けようとするのでしょうか。それとも、さすがに今回は、旅を切り上げて帰国する決断をすることになるのでしょうか。

 

先ほども書いたように、今、先がまったく見えない状況で、旅を強行することのデメリットはいくらでも挙げられますが、一方で、世界中で観光客が激減しているこの時期だからこそ、割安な料金で、混雑とは無縁のゆったりとした旅を楽しめるという、見逃せないメリットもあるでしょう。それに、現地で観光業に携わる人々からも、貴重なゲストとして歓迎されるかもしれません。

 

言うまでもなく、それは、ネットでリアルタイムの情報収集を怠らず、万が一のときには、完全に身動きがとれなくなる前にそこから脱出できるよう、具体的な「プランB」をつねに検討しておくことが大前提ですが、うまく立ち回ることができれば、何とか旅を続けられるはずだし、激動の2020年の出来事とともに、生涯忘れられない、印象深い旅になるのではないでしょうか。

 

ただし、それは、かなりの上級者向けの旅だと思います。もしも旅先で感染し、入院せざるを得ないような病状になれば、その後の隔離を含めて面倒な事態に巻き込まれるだけでなく、たとえ自分に非はなくても、現地の人々からは、諸悪の根源みたいに扱われ、白い目で見られる可能性さえあります。

 

さらに、そのことが日本国内で報道されれば、こんなときに不要不急の旅行をするなんて「不謹慎だ!」ということで、派手に炎上するかもしれません。まあ、今は、それ以外にも驚くようなニュースには事欠かないので、一人のバックパッカーが海外で感染した程度のことは、ほとんど話題にもならないでしょうが……。

 

そうやって、メリットとデメリットをいろいろと考えてみると、トラブルに遭遇する可能性がかなり高く、そのダメージも大きそうなので、もしも私が旅行中だったら、やはり、旅を途中でやめて帰国するだろうな、と思います。若いころならともかく、今はずっと慎重というか、ヘタレになっているので……。

 

もっと若かったら、現地で隔離されたり足止めされたりする体験さえ、貴重な機会だと面白がれたかもしれません。さすがに、自分が感染するような事態まで面白がれたかどうかは分かりませんが、若いころは、そういうトラブルに遭ったらどうなるかという知識も経験も想像力もなかったから、その怖さに気づかなかったかもしれません……。

 

いずれにしても、ここで書いたことは、あくまでも現時点の私が、いろいろなニュースを聞きかじった上で漠然と想像してみただけの話だし、もちろん、その判断が、一般論として、すべてのバックパッカーに当てはまるものではないでしょう。

 

旅人自身の年齢とか、旅の目的とか、今どこにいて、それまでにどんな旅を、どのくらい続けてきたかによっても、判断は大きく違ってくると思います。まだ若かったり、旅を始めたばかりだったり、どうしても行きたい場所がいくつもあったり、旅の資金や心身のエネルギーが満ち足りていれば、多少無理をしてでも旅を続けたいと思うだろうし、身体の無理がきかない年齢になっていたり、すでに旅に飽きていたり、資金が底を尽きかけていたりすれば、今回のパンデミックを格好の口実にして、旅を終わらせたいと思うかもしれません。

 

そして、それに加えて、旅人自身の性格とか、価値観とか、ふだんの行動パターンによって、判断の基準とか結論には、さらにさまざまな違いが出てくるだろうと思います。

 

例えば、人によっては、性格的に、常にあちこちを動き回らずにはいられず、もしも、どこかの国の当局から、2週間ほどの隔離生活を強制されたり、移動制限でどこかの小さな街に閉じ込められたりしたら、まさに地獄だと思うかもしれません。そういう人は、自由に動ける場所を求め、安全な国を探して必死で旅を続けるかもしれないし、あるいは逆に、それではかえってリスクが高いと冷静に判断し、どこかで全く動けなくなるよりはずっとマシだと、ある程度の不自由は覚悟で、日本に帰国することを選ぶかもしれません。

 

でも、考えてみれば、新型コロナウイルスのことで、これだけ世界中が大騒ぎをしている最中でも、日本に観光に来ている外国人はそれなりにいるようだし、逆に、入国制限をしていない国に出かけていく日本人もそれなりにいるようです。

 

そういう人たちは、いろいろなことを慎重に考えた結果として、薄氷を踏む思いで旅に出ているのかもしれないし、どうしても会いたい人がいるなど、やむを得ない理由があって、強い覚悟で旅をしているのかもしれません。あるいは、よほどの高齢で持病を抱えたりしていなければ、たとえウイルスに感染しても、重症化する可能性は低いとされているので、現地でもっと深刻な他の感染症にかかったり、交通事故に遭ったりすることにくらべれば、それほど脅威だとは感じていないのかもしれません。

 

もっとも、ただ単に、何も考えていないだけかもしれませんが……。

 

実際、何も考えずに、いつも通りの行動を続けていても、何の災難にも遭わずに旅をまっとうし、無事に帰国できる人の方が、そうならない人よりも圧倒的に多いはずです。

 

いずれにしても、感染拡大防止のために、各国が次々に打ち出してくる移動や行動の制限、店舗や施設の閉鎖、それらの結果としてのさまざまな不便や混乱、そして、人々のパニックやイライラが引き起こす差別や嫌がらせの標的になることなど、今はむしろ、新型コロナウイルスそのものよりも、ウイルスに対する社会的なリアクションの激しさによって、旅人が不便や不快感に苛まれることが多々あると思います。

 

そして、そういう一時的な不便や不快の数々を覚悟し、あえてそれらを体験し、潜入ルポでも書くつもりで、今、この時期にしかできない旅をする、という考え方もアリだとは思います。

 

それは、決して楽しい旅にはならないだろうし、今の私も、わざわざそういう旅をしたいとは思いませんが、旅先での風景や出来事が、想像をはるかに超える非日常さを見せるという意味で、そうした旅が、ふだんなら絶対にできない体験になることは間違いないでしょう。

 

旅先での隔離だって、突然の入院生活だって、何もかもが旅のうちだと思える人なら、旅を中止する必要はないのかもしれません。

 

決しておすすめはしませんが……。

 

 

記事 海外旅行をめぐる暗い見通し

 

 

JUGEMテーマ:旅行

 

at 20:45, 浪人, 地上の旅〜旅全般

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